CNBLUEのBL小説ブログです。ヨンファ溺愛主義で、シンヨン&釜山ズ&ミニョヨンの話を書いています。

蒼き運命 -アオキサダメ- 32

2016年10月15日
蒼き運命 -アオキサダメ-(極道パロ) 6






チュンギルの指示でいきなり右側の男に銃口を押しつけられ、ヨンファはどうにもならない状況に陥った。
鉄の硬さをリアルに感じるのは、あまりいい気分ではない。


「若!」
「やめろ……っ」


グンソクとジョンシンが駆け寄ろうとすると、チュンギルがふたりに銃口を向けて「動くんやないで」と威嚇した。
眉根を寄せて、目つきが一層鋭くなった五人の姿が視界に入る。
険しい表情のまま瞬きもせず、ヨンファのこめかみに突きつけられた拳銃を眇めた双眸で睨み、チュンギルにも射るような視線を据えていた。


「さあ、どうするんかいな」


決断を迫る醜悪な顔は、反射的に身体を強張らせたヨンファを嘲笑するかのように歪みきっている。
それを視界に捉えながら、この男は若頭の器ではないなとヨンファは思った。
手の内を見せるのが早すぎる。
もっとじっくり攻めた方がそれだけ旨味も多いだろうに、焦って結果を出すことにばかり囚われている。
絶体絶命の状況に反して、意外と落ち着いていることに自分でも驚いていた。


チュンギルのひと言で引き金を引いて、ヨンファの息の根を止めることなど造作もないだろうが、あまりにもやり方が非道で残忍としかいいようがない。
せっかく切り札がありながら嘘の要求を突きつけて、ゲームを愉しむことに終始している。
極道の風上にも置けない奴だと、ヨンファは心底憤りを感じた。
余程、青龍組に対して恨みがあるのか、皆殺しにする前に散々いたぶろうという魂胆が見え見えだ。
しばらく考え込んでいた様子のグンソクが、おもむろにスーツの内ポケットから携帯電話を取り出した。


「……分かった。組長に連絡するから、今すぐ拳銃を退けろ」


それを見て下卑た笑いを浮かべた男を、ヨンファは落ち着き払った顔でじっと睨みつけた。
悪趣味極まりない。到底承服できるものではなかった。


「やめろ、グンソク!」


まさか銃口を突きつけられている本人から止められるとは思ってもいなかっただろう。
グンソクが弾かれたようにこちらを見る。


「親父に連絡する必要はない。撃ちたかったら、撃て」
「ヨンファさん!」


挑むように言い放つと、たまりかねたようにジョンヒョンから制止する声が飛んできた。
虚を衝かれた眦の吊り上がった男は身じろぎもせず、食い入るようにヨンファだけを見つめている。
一瞬視線が絡み合ったが、ヨンファは覚悟を決めた。


「こいつらは端から友好的な関係なんか望んじゃいない。本当の目的は、俺たち全員の命を奪うことだ」


底光りする細い目を見据え核心をついてやると、フンと鼻を鳴らす。


「バレてしもたんならしゃあないな。おい、そいつを黙らせえ」


あっさりと認めたチュンギルが、酷薄な表情を滲ませて顎をしゃくった。
ヨンファの両側にいた舎弟らが腕の拘束を解くと、躊躇することなく拳銃を振り上げるのが視界に入る。
咄嗟に身体を捩じるが、完全には躱しきれず、銃身で側頭部を強打された。
あまりの衝撃に呼吸が止まり、上体が大きく傾ぐ。
執拗なことに腕にも銃を振り下ろされて、ヨンファは呻き声を上げながら、その場に崩れ落ちた。


急に目の前が真っ暗になり、強い目眩を感じていると、五人のものと思われる息を呑む気配や悲痛な叫びが聞こえる。
頭蓋骨と上腕骨を砕かれたかと思うほどの激痛に見舞われて、意識が遠のきそうになった。
軽い脳震盪を起こしかけている可能性もある。


しばらく動けないでいると、ヌルッとしたものが額から流れてきて、コンクリートの上にポタリと落ちた。
ヨンファはその場に蹲り、苦悶の表情を浮かべながら肩で浅く息をつく。
少し身じろぐと右腕にズキズキと鋭い痛みが走るから、案外骨にひびが入っているのかもしれない。


うっすらと目を開けると、血で床が汚れていた。
目の中にも入ってきたのか視界がぼやける。
その時、足音とともに誰かが近づいてきて、ヨンファの横にしゃがみ込む。
何者かの靴先が視界に入ってきたと思った矢先、乱暴な仕草で顎を掴まれ、強引に顔を上げさせられる。


「うっ……」
「その人に手を出すなっ。やるなら俺をやれっ!」


今まで聞いたことのないほど、焦燥感に駆られたような取り乱した様子の声が耳に入ってきた。
痛みに顔を顰めたまま正面に焦点を合わすと、悲壮な表情を浮かべているジョンヒョンが映り込む。
たまらずヨンファに歩み寄ろうとするのを見るや否や、チュンギルが銃口をヨンファの首に強く押し当てて「動くな言うたやろ。黙ってそこで見とけ!」と鋭く制止した。
ジョンヒョンは苦渋に満ちた顔で、その場に立ち竦む。


「随分、惚れ込まれとるようやな。気に入っとんのは、この綺麗な顔か?」
「てめぇ、ヒョンに触るんじゃねぇ……っ!」
「貴様ら……っ。絶対に許さんぞっ!」


ジョンシンとグンソクは牙を剥いて、今にも飛びかからんばかりの形相をしている。
きつく眉根を寄せ、ギリッと奥歯を噛み締める音が聞こえてきそうなくらいだ。
血に染まったこの顔のどこが?と、頭の片隅でぼんやりと思う。さぞ酷い有様になっているに違いない。
比較的静かなミニョクとスンヒョンもその目には憎悪を滾らせ、激しい感情を剝き出しにして、全身からは殺意が漲っていた。


「お前らの武器を全部出せ。少しでも下手な真似したら、こいつの命はないで」


吐き気が込み上げてくるほど不快感を覚えていた手がようやく離れたと思うと、今度は野太い低音が恫喝しながら銃を構え、ヨンファの頭に照準を合わせている。


「こんな奴の……言いなりになんかなるなよ……」


チュンギルの要求を聞いた瞬間に、ヨンファは苦痛をこらえて言葉を絞り出した。
強い矜持と信念を持ち、違法行為に手を染めない組長に追従して組を支えてくれている者たちが、こんな卑劣な連中の脅しに屈してほしくない。
ヨンファは双眸に力を込め、さらに言い募った。


「何があっても……誇りだけは捨てるな……」


必死に訴えるヨンファの心情を察した五人は、途方に暮れたように顔を歪ませる。
苦渋の選択を迫られ険しい顔つきをしていたが、グンソクがホルスターから拳銃を抜き出した。
ヨンファの説得も虚しく、他の四人もそれに倣って隠し持っていた銃やナイフをコンクリートの床に置いていく。
自分が皆の足枷になっていて、思い通りに動くことができないのだ。
相手の思う壺だと分かっていて、敢えて乗ずることしかできない状況に、ヨンファの胸は張り裂けそうなほど痛んだ。


「ほんまに丸腰かどうか確認せえ」


武器を取り上げて自分たちの懐に入れると、チュンギルの命じるままに数人の舎弟らが五人の全身を隈なく調べる。
両手を頭の後ろに組ませて、手で直接触れて念入りに探り終えると、ひとりがチュンギルに報告した。


「何も隠し持ってないです」
「ほんなら、死なん程度にいたぶったれ。すぐに楽にさすんはもったいないからな。散々愉しませてもらうで」


薄笑いを浮かべたチュンギルに対し、常軌を逸していると、ヨンファは床に手をついた体勢のまま横目で見る。
その場にいた舎弟ら全員が近づいていくと、そこに合流するかのように、外からガヤガヤと何人もの手下どもが入ってきた。


「おお、ちょうどええタイミングや。お前らもやれ」


チュンギルは顎をしゃくって合図をすると、男たちが一斉に色めき立ち、五人を取り囲んでいく。
丸腰であり、ヨンファが人質として敵の手中にいる悪条件の中、十人以上の男たちが相手ではどう見ても勝ち目があるとは思えない。


「さっきはよおやってくれたな」


スキンヘッドの男が後ろからジョンシンを羽交い絞めにした。
ジョンシンに回し蹴りをお見舞いされた大男が仕返しとばかりに、腹めがけて蹴り上げる。


「……ぐっ」


正面からまともに喰らったジョンシンはスキンヘッドの男ごと後ろに倒れたが、攻撃は緩むことなく続けざまに肩や胸にも蹴りを入れられている。


「ジョンシナ……っ」


ジョンヒョンが身を乗り出したが、背後からトレッドヘアの男に強く蹴られて膝をついた。
ふたりがかりで手荒く引き起こされ、別の男からさらに殴られる。
精悍な顔を苦痛で歪めて、容赦ない攻撃に応戦することなく、その身に執拗なパンチを受け続けていた。
視界いっぱいに映されたジョンヒョンの未だかつてない姿に、胸の奥までえぐられるような憤りを覚える。


瞬時のうちに周囲は怒号に包まれて、密室は一気に凄惨な場となった。
肉体を打ちつけるような鈍い音が辺り一面に響き渡り、至るところから呻き声が聞こえる。
丸腰の青龍組に対して、圧倒的に数の多いチルソン組がどうみても有利で、多勢に無勢だ。
目の前で繰り広げられている光景があまりにもむごくて、ヨンファは頭から冷水を被ったみたいに全身から一気に血の気が引いていく。
まるで底知れぬ恐怖の幕開けのようだった。





To be continued





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haru
Author: haru
CNBLUEのBL小説を書いています。CPはシンヨン&釜山ズ&ミニョヨンです。ヨンファ溺愛主義でとんでも妄想ばかりですが、愛だけはぶっこんでいます。
話のトーンはほのぼの、甘々、コミカル、シリアス、切ない系。ハピエンオンリーです。
基本マイペースでランダム更新。妄想は思いつくまま、気の向くまま。R18の内容が含まれているため、未成年の方、苦手な方は閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
尚、当ブログに掲載している作品はすべて私個人のオリジナルですので、模倣、転載等はご遠慮願います。

Comment(6)

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2016/10/15 (Sat) 13:32

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2016/10/15 (Sat) 14:04

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2016/10/15 (Sat) 16:33

haru

は*さん

こんばんは♡
私も書きながら青ざめてました( ノω-、)
今まで話を書いてきた中で、こんなに辛い思いをしたのは初めてです。
じゃあ、書くなって感じですが、やむを得なくて…。
加勢したいと言って下さって、そのお気持ちがとても嬉しいです♪
ハラハラさせて本当にごめんなさい(´;ω;`)

2016/10/15 (Sat) 20:52

haru

つ*さん

こんばんは♡
私も本当に辛いです…(´;ω;`)
心がギシギシと軋んでいます。
大好きなCNくんをこんな形で書くのは初めてで、話のためだとはいえ、痛すぎますね。
嫌な思いをさせてごめんなさい( ノω-、)

2016/10/15 (Sat) 21:00

haru

は*さん

読み返して下さって、ありがとうございます♡♡
は*さん、話が尾を引いていらっしゃるんですね…。
大丈夫でしょうか(TωT)
明るいものをご覧になって、少しでも気分がよくなられますように♪

2016/10/15 (Sat) 21:08