CNBLUEのBL小説ブログです。ヨンファ溺愛主義で、シンヨン&釜山ズ&ミニョヨンの話を書いています。

蒼き運命 -アオキサダメ- 9

2016年04月13日
蒼き運命 -アオキサダメ-(極道パロ) 6






伸びてきた無骨な指に頬を撫でられると、ゆっくりと近づいてきた唇に呼吸を塞がれていた。


「…………?」


頭の中が真っ白になって呆然としていると、触れるだけで離れる。
事態が呑み込めず、大きく目を見開いて目の前のジョンヒョンを見つめると、再び吐息を奪われた。


「ん……っ……」


柔らかい唇の感触に、ヨンファは自分の身に起きていることをようやく理解して、目の奥がじんわりと熱くなる。
躊躇いながらジョンヒョンのキスに応じるように唇を開くと、歯列を割って入ってきた舌が口中をなぞるように動いた。


角度を変えて舌先を搦め捕り、啄むように吸われると、頭の芯が痺れたようになる。
長く抑えてきた想いを解き放ち、すれ違っていた日々を取り戻すかのように、唇を重ねては離し、また口づけを求めるという行為を幾度となく繰り返した。


「……ん……ふっ」


夢中になって舌を絡め合っていると、携帯電話が鳴り響き、二人の唇がようやく離れる。
音は、ジョンヒョンの上着の方から聞こえた。


息を止めてヨンファが様子を窺っていると、ジョンヒョンは初めから電話に出るつもりはないようだ。
数回コールしたのち、留守電に切り替わる。
ジョンヒョンはそれを見計らって、上着の内ポケットから携帯電話を取り出し、メッセージを聞いていた。


「帰らなくていいのか?」


恐らく舎弟からの電話なのだろう。
そう問いかけると、ジョンヒョンはヨンファの瞳をじっと見つめ返してくる。


「今はこっちの方が優先だ」


いつの間にか、男の言葉遣いが変わっていた。
静寂に包まれたリビングで、ジョンヒョンはいつもの落ち着き払った声で、ヨンファに視線をあてたまま口を開く。


「俺はいつどうなるか分からない身だから、貴方の心を引き留めておくような言葉は何も言えない。そんな資格すらない」


真摯な想いを双眸に込めて、言葉を選ぶようにゆっくりと告げられ、ヨンファは息を呑んだ。


「でも、ヨンファがそれでもいいと思ってくれるなら、もう遠慮はしない」


一点の曇りもない真っ直ぐな眼差しで言い切られ、ヨンファの身体に震えが走る。
直接的な言葉はなかったが、ジョンヒョンの本気が痛いほど伝わってきた。


もしかすると、ジョンヒョンも気づいていたのかもしれない。
一緒に暮らしている時から、お互いが惹かれ合っていることに。
でも、大人数が暮らす屋敷の中では何もできやしなかったし、考えも及ばなかった。


そのうち道を違えて、近くにいながらほとんど会話もままならなくなった。
心のどこかで寂しさを感じ、必死に勉学に励んでいたことを思い出す。
惹かれる気持ちを抑え込んで、自分の想いから目を逸らせてきたが、ヨンファが家を出たことで完全に二人の関係は消滅してしまった。


それが十年以上経った今、こんな形でジョンヒョンから告げられるとは思ってもみなかった。
自分と同じように、あの当時から想い続けてくれていたのかどうかは分からない。
ただ、求めているものが一緒だったことに、ヨンファは驚愕した。


急に胸を押し上げるように激情が溢れ出てくる。
何故こんなにもこの男を愛しいと感じるのだろうか。


理由なんて分からない。理屈じゃない。自然と魅かれるのだ。
自分たちは子供の時分からあまりにも残酷な現実を背負い、悲しみを乗り越えて生きてきた。
いわば運命共同体のような関係に近いから、引き寄せられるものがあるのかもしれない。


ずっと自分の気持ちを押し隠してきたが、今ここで言わないと一生後悔することは目に見えていた。
十年前のケリをつけるためにも、正直に心の中を曝け出して前に進むしかない。
ヨンファはジョンヒョンの顔を正面から見据え、覚悟を決めた。


「お前が大変な立場にいることは承知している。……組に命を捧げたことも。俺は無理を言うつもりは毛頭ない。何も期待しないし、約束もいらない。だから、今だけお前を感じることができればそれでいい」


ヨンファの台詞が、自分を受け入れることを了承したものだと理解したジョンヒョンの顔色が変わった。
ここまでストレートな答えが返ってくることを予期していなかったのか、瞠目したまま固まっている。


「……本当に?俺の言った意味が分かっているのか?」


いつもどこか余裕を見せているジョンヒョンが、動揺しているのが分かる。


「俺もお前と同じ気持ちだから、ちゃんと分かってる」
「ヨンファ……」


ジョンヒョンの声はかすかに震えていた。
改めて口にして、ようやく積年の想いが叶ったのだと、ヨンファは感慨深く思う。


何のしがらみもなければ、抱き合って喜ぶところなのだろうが、自分たちにはそれができない事情があった。
あまりにも背負っているものが重すぎる。
間合いを取るように沈黙が落ちるが、それを破ったのはジョンヒョンだった。


「……もし俺たちが違う形で出会っていたら……」
「それを言うな。口に出したところでどうすることもできないことは、お前も理解しているだろう?いいんだよ、これで。今までもそうやってきたんだから、これから先も俺たちの生き方が変わることはない」


ヨンファはまるで自分に言い聞かせるように、敢えてはっきりと声に出す。
表向きはジョンヒョンに対して放った言葉が、ヨンファの胸を深く抉った。
たとえいくら心が通じ合っていたとしても、住む世界の違う自分たちが同じ道を歩むことは不可能なのだ。


ジョンヒョンを心から愛している。
ずっと忘れることのできなかった男を前にして、自分の気持ちを再認識したが、同時にこの言葉は決して口にしてはならないのだと自分に言い聞かせた。


言えば、組と自分との間に挟まれて、ジョンヒョンを苦しめることになる。
最愛の相手に負担を強いることだけはしたくないから、自分の感情をすべて晒すことはできない。
それがとてつもなく哀しい。
一人で想い悩んでいた時よりも、今の方が何倍も辛くて胸が張り裂けそうだった。


男である自分が女のように縋りついたり、未練がましい言動を取ることは有り得ない。
そんなみっともない真似は到底できるはずがないのだから、これでいいのだと、ヨンファは自分を無理矢理納得させる。


黙って俯いていると、「ヨンファ」と呼ばれた。
こちらに向けられた眼差しが思いのほか優しくて、嬉しいはずなのに鋭い楔を心臓に打ち込まれたようだった。


もう逃さないというように強い力で引き寄せられて、包帯を巻いた逞しい腕の中に抱き込まれた。
消毒薬が鼻腔を擽り、ジョンヒョンが怪我をしていたことを思い出す。


「傷に障る……」
「手当してもらって随分痛みが引いたから、心配はいらない」


ヨンファは少し安堵して身体の力を抜くと、ジョンシンの両腕に身を委ねた。
至近距離で見つめ合うと、吸い寄せられるように自然と唇が重なる。


余計なことを考えるのは、やめよう。
ヨンファは胸が軋むのを耐えて、重々しい思考を追い払った。


先程とは打って変わって本能を剥き出しにしたジョンヒョンが、激しいキスを仕掛けてくる。
噛みつくような荒々しい口づけに思うさま蹂躙され、眩暈を覚えた。
ヨンファは求められるまま積極的に応え、熱い唇を受け止めながら自らも舌を差し出し、深くお互いを貪り合う。


「は……あっ……」


気が遠くなるような長いキスから解放され、ほうっと息を吐いてヨンファが潤んだ目を向けると、ジョンヒョンは情欲に濡れた眼差しを注いできた。
このままでは終わらない雰囲気で、ヨンファも全身から溢れてくる熱にもう後戻りはできないことを悟った。


今だけでいい。
この男と触れ合えるのなら、これ以上は何も望んだりしない。
互いの仕事や立場も、何もかもすべて忘れて、今はただ心の赴くままに求め合いたい。
先に待ち受けるものが、たとえ自分たちを引き裂く結末だったとしても――。


ヨンファは胸が引き絞られるように切なく痛むのを抑えて、自らの欲求に身を任せようと気持ちを切り替える。
怪我をしているジョンヒョンに配慮しなければならないと思いながらも、ヨンファは湧き上がってくる想いを、もはや止めることができなかった。


獲物を捕らえたような強い視線を前に、ヨンファは無言のまま自らリネンシャツのボタンに手をかけた。


一緒に住んでいた頃、ジョンヒョンは時折こういう目でヨンファを見ることがあった。
熱の籠った眼差しは肌の至るところに向けられ、布地を通して身体のラインを確かめているようで、その度にヨンファの胸は甘く疼き、ジョンヒョンの気持ちがずっと自分から離れなければいいとさえ願っていたのだ。


同性であり、同じ屋根の下で暮らしている相手ということに対して、不思議と嫌悪感はなく、逆に見られることに喜びを感じていた。
それは、きっとジョンヒョンだったからに違いない。


緊張しているせいか、手が震えて思うようにボタンを外せないでいると、ジョンヒョンの手が伸びてきた。
節くれだった指が器用に動くさまを眺めていると、ふと視線を感じて顔を上げる。
瞳と目が合うなり、待ち構えていたように優しい唇が瞼や目尻に触れてきて、軽く啄ばまれた。


肌に直接温もりを感じて我に返ると、いつの間にかボタンをすべて外されて、シャツの前をはだけられている。
隙間から覗くなだらかな胸を指先で撫で上げ、ジョンヒョンは双眸をじわりと細めた。


「……相変わらず綺麗な肌だ」


耳許で囁かれた声が興奮で掠れていて、頬が熱くなると同時に、身体の奥で燻っている熱を煽られる。
シャツを脱がされながら、何度目とも知れない口づけが降ってきた。





To be continued





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haru
Author: haru
CNBLUEのBL小説を書いています。CPはシンヨン&釜山ズ&ミニョヨンです。ヨンファ溺愛主義でとんでも妄想ばかりですが、愛だけはぶっこんでいます。
話のトーンはほのぼの、甘々、コミカル、シリアス、切ない系。ハピエンオンリーです。
基本マイペースでランダム更新。妄想は思いつくまま、気の向くまま。R18の内容が含まれているため、未成年の方、苦手な方は閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
尚、当ブログに掲載している作品はすべて私個人のオリジナルですので、模倣、転載等はご遠慮願います。

Comment(6)

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2016/04/13 (Wed) 22:21

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2016/04/14 (Thu) 08:13

haru

t*******さん

ありがとうございます!
何とか通じ合いました♡♡
日々眠くてなかなか進みませんが、更新頑張ります(〃∇〃)

2016/04/14 (Thu) 12:07

haru

m*******さん

こんにちは♡

極道ものは本当に難しいですね(・Θ・;)
ただでさえ遅筆なのに、余計時間がかかります。

私なんて下手の横好きなので、全然駄目なんですよ。
他にもCNメンバーで書きたい話があるんですが、腕がないので見送ってるんです(>_<)
日々勉強で、もっと腕を磨きたいなぁと思っています。

mさんは速筆ですね♡♡
私も見習わないと(〃∇〃)

2016/04/14 (Thu) 12:20

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2016/04/15 (Fri) 01:02

haru

y***さん

こんにちは♡
ご訪問、ありがとうございます♡♡

yさんに読んでいただいているなんて、大変光栄ですm(__)m
私、フォローさせてもらっているので、よく存じ上げております♡♡

昨日は大丈夫でしたでしょうか?
私はそちらに一番近い中国地方在住なのですが、結構怖かったです(・Θ・;)

拙い話しかありませんが、温かいお言葉をいただき、心より感謝します♡♡
今後ともどうぞ宜しくお願いします(〃∇〃)

2016/04/15 (Fri) 12:05