CNBLUEのBL小説ブログです。ヨンファ溺愛主義で、シンヨン&釜山ズ&ミニョヨンの話を書いています。

蒼き運命 -アオキサダメ- 84

2019年09月23日
蒼き運命 -アオキサダメ-(極道パロ) 4






午前中はどの診療科も外来患者で込み合う受付カウンターや待合ロビーが、夕刻近くになると人影がまばらになる。
その日、ヨンファは午後から差し入れを持って、元勤務先だったS大学附属病院を訪れていた。
退職の意思表示をしたのが突然だったため、かつて受け持っていた患者やその他諸々の件で内科医局へ赴き、できる限りフォローしているのだ。
すべての用事を済ませ、帰途につこうと病院の正面玄関から外に出た途端、ヨンファは小さく身震いした。


「……っ、さむ……」


十二月に入ると、日中でも身を切られるような冷え込みだ。
白い吐息と一緒に、無意識に声がこぼれてしまう。
空は雲ひとつない冬晴れにもかかわらず気温はかなり低く、凍てつくような肌寒さに思わず首を竦めた。
掻き寄せたダウンジャケットの襟に顎を埋めて足早に職員専用駐車場へと向かい、シルバーの車の運転席に乗り込む。
車中に置きっぱなしにしていたスマートフォンを手に取ると、ホンギからLINEが届いていた。
受信したのは二時間ほど前で、なんだろう……、と訝りながら即座にタップする。


「えっ、……――!」


そこに表示されたものを認識するや否や、絶句した。
『バイト終了』という笑えるくらい短い文字列とともに写真が添付されているのだが、そこに写っていたのは見事な金髪になったジョンシンだったのだ。


「――マジか。お前も、ホンギの餌食になったんだな。可哀想に……」


画面を食い入るように見つめたまま、ヨンファは半ば同情混じりにひとりごちた。
我が親友ながら、ホンギは人の度肝を抜く天才かもしれない。
アルバイトが終わったということは、閉店したあとだろうか。
恐らくスタッフルームで撮られたものだと思うが、写真のジョンシンは椅子に凭れてぐったりしているように見える。
慣れない仕事に疲れ果ててしまったのか、それとも、飲み過ぎて気分が悪くなったのか。どことなく顔色もよくなかった。
LINEを返信するよりも直接電話をかけた方が早いので、アドレス帳からホンギのナンバーを表示したのと同時に、発信ボタンをタップする。
数回のコールののちに、『よお、お疲れ』という耳慣れたハスキーボイスが聞こえてきた。


「お疲れさん。今、メッセージを見たんだが、ジョンシナのバイトが終わったんだな」
『今日までな。一応、ヨンファにも報告しておこうと思って。アイツ、店で瞬く間に有名になっちまって、若い客層からの指名率が半端なかったぞ。フニとタメ張れるくらい』
「へぇ、そうなのか。すごいな」


洗練されたルックスのジョンシンなら、『Club Blueming』のナンバー1ホストのジョンフンと渡り合えるのも納得だ。
結局、一日でリタイアしてしまい申し訳ない気持ちでいたが、興奮気味に報告してくれるホンギに、ヨンファは内心安堵した。
上機嫌な様子から、ジョンシンが店の売り上げにかなり貢献したのだろうと察しがつく。


『助っ人要員として正式に雇いたいんだけど、グンソクさんとジョンヒョンに相談してみよっかなー』
「本人と、あのふたりが何て言うか分からないがな。あ、それと、送ってくれた写真。ジョンシナの顔色が悪いのは、酒のせいか?」
『いや、どうやら体調がよくなかったみたいだぞ。閉店になった途端、スタッフルームで倒れるように椅子に座り込んでよ。仕事中はおくびにも出さなかったから、俺も気づかなかったけど。『寒気がする』って言うんで、タクシー呼んですぐ帰らせたんだ』


欠勤者続出の『Club Blueming』で一定期間働いていたという事実だけで、十分嫌な予感がした。
もしかすると、インフルエンザに感染してしまったのではないだろうか。
その可能性が高いような気がして、ホンギから詳しい内容を聞き出したヨンファは、また近いうちにプライベートで会う約束をして通話を終えた。
そもそも自分の代わりにホストの代役を引き受けなかったら、こんなことにはならなかったかもしれない。


『貸し、ひとつな』


ヨンファがホストの手伝いをした日、ジョンシンに言われた台詞が脳裏に浮かぶ。
直後、横合いからジョンヒョンが割って入ったために、あの時は事なきを得たのだった。。
とはいえ、まったく責任を感じていないわけではない。
事情を知ったからには、放っておくことなど到底できなかった。
以前かけたことのあるジョンシンのナンバーを手早く表示させ、電話アイコンをタップする。
コール音がしばらく続き、切った方がいいだろうか……、と思い始めたところでようやく繋がった。


『――……ヨンファヒョン? ……なんで?』


躊躇いがちに聞こえてきた声は、いつになく低くくぐもっている。
やはり、本調子ではないようだ。


「ホンギから、お前が具合悪そうにしているって聞いた。大丈夫なのか? 病院には行ったか?」
『いや……、身体だりぃし……動く気力もねぇ』


電話の向こうで苦しそうに息をつきながら、何とか言葉を絞り出しているのがこちらにも伝わってくる。
スマートフォンを耳許に当てたままヨンファは腕時計に視線を落とし、時刻を確認しながら即決断した。


「インフルの可能性があるから、俺が連れて行ってやろう。大学病院にいるんだが、今からお前のアパートに向かう」
『え……、でも……』
「着いたら、また電話する」


用件のみを告げて通話を切るなり、ヨンファは急いでシートベルトを締める。
そして、エンジンをかけてゆっくりとアクセルを踏むと、一路目的地を目指した。





To be continued





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haru
Author: haru
CNBLUEのBL小説を書いています。CPはシンヨン&釜山ズ&ミニョヨンです。ヨンファ溺愛主義でとんでも妄想ばかりですが、愛だけはぶっこんでいます。
話のトーンはほのぼの、甘々、コミカル、シリアス、切ない系。ハピエンオンリーです。
基本マイペースでランダム更新。妄想は思いつくまま、気の向くまま。R18の内容が含まれているため、未成年の方、苦手な方は閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
尚、当ブログに掲載している作品はすべて私個人のオリジナルですので、模倣、転載等はご遠慮願います。

Comment(4)

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更新ありがとうございますでじょんしんでああ、ああ、あ、あ、あ、あ、あ♡♡♡♡早く次をををををです!!!!!!

2019/09/23 (Mon) 23:48
haru

haru

了解です(笑)
近日中に続きを更新しますね♪

2019/09/24 (Tue) 04:49

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2019/09/27 (Fri) 09:04
haru

haru

M*****さん

こんばんは♡

読んで下さってどうもありがとう♪
一度はミニョク視点で話を書こうと思っていたので今回形にしたんだけど、まるでやっつけ仕事みたいに簡単にまとめてごめんなさい。
ホストジョンシンは以前Twitterでリクエストしてもらったのがきっかけで、こんな風な流れで書きたいと思っていたの。
今回はほんのちょっとだけど、機会があればもう少し踏み込みたいなと思っています。
金髪ジョンシン、ほんまかっこいいよね。
どんなヘアスタイルでも似合うのはイケメンだから♪

85話、削除してごめんなさい!
何人かの方に拍手を押していただいていたのに、本当に申し訳なくて。
どうも自分が書いたものを客観視できないという致命的欠陥があってね( ̄ω ̄;)
改めて読み返してみたら、ジョンシンに対して優しさが足りなかったので、今書き直しているところです。
「は?これで?」だったらすみませんっ。

聖地巡りに行ったんだね♡
かなり鍛えてる?それは嬉しい(〃ω〃)
私、ジョンシンのすね毛が大好物なんだけど、ツルツルになっててボーゼンでした。
全身脱毛ならジョンシンじゃなくて、是非ともヨンにやってほしいなぁ。

2019/09/27 (Fri) 20:44