CNBLUEのBL小説ブログです。ヨンファ溺愛主義で、シンヨン&釜山ズ&ミニョヨンの話を書いています。

Forbidden Love 4

2016年03月10日
Forbidden Love(兄弟パロ) 0






誰かに髪を梳かれている。
そんな気配がして、唐突に目が覚めた。


ぼんやりと瞬いて瞳を開けると、驚くほど近くにジョンシンの顔があった。
ベッドに寝そべったまま肘をつき、至近距離からヨンファを覗き込んでいるのが、薄闇の中でも見てとれる。


「な…に……?」


肌にジョンシンの体温を感じ、ヨンファは身体を強張らせた。


「まだ早いから、寝てろよ」


ジョンシンはヨンファの髪の毛を撫でながら言う。
一体、いつ起きたのだろうか。


―――お前は寝なくていいのか……?


と、ヨンファは問いたくなった。
ジョンシンの目の辺りが若干疲れて見えるのは、気のせいだろうか。


「睫毛、長いな…」


至近距離で囁かれて、長い指先に顎を捕らえられる。
ジョンシンの顔がそっと近付き、柔らかい感触が唇に触れてきて、それだけで胸が締め付けられた。
チュッチュッと啄むようにキスをされ、ヨンファは完全に目が覚めてしまった。


「……お前のせいで寝られなくなった」
「そりゃあ悪かったな」


思わずぼやくと、低く笑う声が返ってきた。
ヨンファが上目遣いにじっと見つめ返すと、ジョンシンは決まり悪そうに視線を逸らす。


「そんな瞳で見るなよ……」


聞こえてきたのは、困りきった苦い声だった。
何かが喉の奥に詰まったみたいで、一瞬、ひどく切なそうな顔をしているように見えた。
それを悟られたくないかのように、ジョンシンはベッドに仰向けになる。


「このベッド、寝心地いいよなぁ」
「お前のとこより狭いのにか?」


成長を続けるジョンシンのために、両親は今年に入って、かなり大きなベッドを新調した。
中学生の頃から同じものを使い続けているヨンファからすると、羨ましい限りだ。


「なんだか不思議と落ち着くよ……」


片腕を頭の下に敷いたジョンシンが横目でチラリと視線を投げかけてきて、手を伸ばしてヨンファの頬に触れてくる。
数秒間見つめ合っていたが、奇妙に張りつめた沈黙を破ったのは、ジョンシンの軽い咳払いだった。
そして、そのまま目を閉じてしまった。


ジョンシンの考えていることは今一つ分からなかったが、自分のことを兄として少しは慕ってくれているのだろうか。
以前に比べるとそう思えることがあり、良いことなのかもしれないが、その好意を別の感情と勘違いしてしまいそうで、ヨンファは複雑な思いを抱いていた。





そうこうしているうちに、外が白んできた。










日中は塾の夏期講習があるため、ヨンファがジョンシンと顔を合わすのは、朝と夜のみだった。


いつものようにジョンシンの帰宅を待って、ヨンファの作った夕飯を一緒に食べる。
後片付けはジョンシンがやるというので、任せることにした。


シャワーを浴びてバスルームからリビングへ直行すると、汗を流してサッパリした身体に、エアコンの冷気が心地良い。
ジョンシンはソファーに座ってテレビを観ていた。


「ジョ……」


髪の毛から滴り落ちるしずくをタオルで押さえながら、「シャワー空いたぞ」と言おうとして名前を呼び掛けた途端、ヨンファはすぐに口を噤んだ。なんとなく話しかけづらい雰囲気に戸惑う。
顔は確かにテレビの方に向いているが、ジョンシンは心ここにあらずで、何かを考えているようだった。
その横顔はどこか大人びていて、ひどく達観したものに見えた。


視線を感じたのか、ジョンシンは唐突に振り返り、ヨンファと目が合うやいなや驚いた顔をした。


「どうかしたか?」
「いや、シャワー空いたから……」


すでにジョンシンの表情は、いつもと同じに戻っていた。


「髪、乾かさないのか?」
「いいよ。暑いし、面倒くさい」


ジョンシンがソファーからゆらりと立ち上がり、ヨンファの目の前まで来ると、肩にかけていたタオルを奪われて、優しく包み込むように髪を拭われる。


「もう拭いたって」
「ちゃんと乾かさないと寝癖の原因になるぞ。本当はちゃんとドライヤーを使った方がいいのに、ヨンファはチョディンだから、手間のかかることはすぐに嫌がるよな」
「……悪かったな」


まるで子供扱いしたその言い方に、思わずムッとなる。
ジョンシンは髪が長いせいか、きちんとドライヤーで乾かして、いつもサラサラな状態をキープしている。
男のくせに身だしなみにも気を使っていて、ほとほと感心するばかりだ。


「ほら、タオルドライでこのくらい水分を取っておくだけでも違うから」


乱れた髪を手ぐしで整えられて、真っ黒い鋭い双眸が満足そうに細められる。


ジョンシンは何をやっても、絵になるくらい様になっていて格好良い。
整った顔立ちも、長くて器用な指先も、長めの茶色い髪も、低めの声も、高い身長も。
一度会えば、誰もがジョンシンに魅了される。


―――それは、ヨンファもまた同じだった。










ジョンシンはヨンファのベッドで毎晩一緒に寝るようになったが、あの時以来、何もされることはなかった。
ただキスをされることくらいで……。


ヨンファが寝入ろうとしたところに、あとからジョンシンが潜り込んでくるパターンが多かったが、今日は違っていた。


「……まだなのか?」


先程から背後のベッドに横たわっているジョンシンが「早く寝よう」と催促してきて、いい加減うるさいのに辟易していた。
ヨンファはパソコンで調べ物をしていて、もう少しかかりそうだった。


「しつこい。俺にも都合があるんだから、自分のベッドで寝ろよ」
「明日やればいいだろ?俺と違って時間はたっぷりあるんだからよ」
「俺も明日は学校に行くんだよ。人の行動にいちいち口を挟むな」
「ヨンファー、早くー」


ベッドの中から『おいで、おいで』と言わんばかりに手招きをしてくる。


「うるせー、ガキ」


ヨンファがそう言うと、ジョンシンは唇を尖らせて実に面白くなさそうな顔をした。
あんまり騒がしいから仕方なく5分で終わらせると、ヨンファはこれ見よがしにわざと盛大な溜息をついてやる。


ベッドに近付くと、タオルケットの端を捲って「早く入れ」と促される。
ヨンファはエアコンのタイマーをセットすると、半分空けられたスペースに身体を滑り込ませた。
すると、待ち兼ねたジョンシンの腕が伸びてきて、すぐさま抱き込まれる。


二人が寝るには明らかに狭いのに、ジョンシンがどういうつもりなのか、さっぱり分からない。
抱き枕扱いされているとしか思えない。


男と寝ることは、思ったほどいいものではなかったのだろう。
自分の好きなようにはできないし、ヨンファに気を遣わないといけないし。
元から本気じゃないのはよく分かっている。
興味を失ったのに、一旦口に出したことで後戻りができなくなり、仕方なしにここに来ているのだろうか。


向かい合うのはさすがに抵抗があるので、ジョンシンに背を向けると、腰を抱くように腕が回ってきた。
ヨンファが身じろぐと、「落ちるぞ」とすぐに引き戻される。
背中に当たる逞しい胸板や、耳許を擽る吐息に鼓動がどうにかなりそうで、ヨンファは早く寝ようと目を閉じた。





結局、この日も何もなかった。
ジョンシンはもう馬鹿げた行動を起こすことはないと、ヨンファの中ですっかり刷り込まれて、いつの間にか安心して寝入っていた。










翌日、ヨンファは課題を提出するために学校へ行き、用事を済ませたあと友人と会い、夕方までカフェで時間を潰した。
8月に入ってから連日猛暑日が続いており、最寄駅から徒歩で自宅に帰り着いた時には、かなり汗をかいてしまっていた。


鍵を開けて玄関に入ると、ジョンシンの靴があり、今日は塾が休みだったことを思い出した。
リビングに向かうと、エアコンがよく効いていて、汗ばんでいた身体の熱を冷ましてくれる。
ふと見ると、ジョンシンがソファーに横になって眠っていた。


長身を持て余したように身体を折り曲げて、気持ち良さそうな寝息を立てている。
茶色い髪の毛が顔にかかり、目を閉じていても、その美貌はありありと見て分かる。
ソファーで寝入る姿が妙にリビングに溶け込んでいて、まるで一枚の絵のような完成度だった。


衝動的に触れたくなり、ヨンファが髪の毛をそっとかき上げてやると、精悍な顔が現れた。
長い前髪の間から覗いている目元に、疲れが出ているように見えた。


ソファーの下に落ちているテキストの存在に気付き、ヨンファはそれを手に取ってみる。
中身を見て驚いた。相当難易度の高い、英語のテキストだった。
ともすればヨンファでも解けない問題もある。
ジョンシンがこんなにレベルの高い勉強をしているとは知らなかった。


「……帰ったのか…?」


ヨンファの気配に気付いて、ジョンシンは目を覚ます。
気怠そうに眉間に皺を寄せて身体を起こしている隙に、ヨンファは慌ててテキストをローテーブルに置いた。


「アイスコーヒーを淹れるけど、お前も飲むか?」
「ああ……もらう」


冷蔵庫からボトルコーヒーを取り出し、氷を入れたグラスに注ぐ。
一つをジョンシンに手渡して、自分も隣のソファーに腰を下ろした。


「随分難しい勉強をしてるんだな。そこまでしなくても合格は確実だろうに」


先程から気になっていたことを訊いてみた。
それが、そばに置いているテキストのことだと、ジョンシンにはすぐ分かったようだ。


「……絶対に大丈夫だとは言い切れないからな」
「お前に限ってそんなことはないだろ。ジョンシナは大学を出たあとのことは考えているのか?」
「親父の仕事を手伝うつもりだ」
「……もう決断したのか」


まだ高三なのに、確固たる意志を持った返事に本気が窺えて、ヨンファは驚いた。


「直接訊いたわけじゃないが、親父のあとを継ぐのはヨンファだろ?」
「俺は父さんの会社で仕事をしたいと思っているだけだよ。確かにその話もされたけど、俺はそういう器じゃない。むしろお前の方が適任だろ」
「冗談じゃねぇ。俺は社長をやるつもりなんかねーよ。肩苦しくて好きなこともできやしない。親父見てるとつくづくそう思う」


ジョンシンは心底嫌そうな顔をした。
四兄弟のうちの誰かが、いずれ父親のあとを継がなければならないことは暗黙の了解だった。
長男のヨンファが一番有力視されているようだが、現時点では何とも言えない。
ヨンファは自分よりもジョンシンの方が向いていると思っている。


「ジョンヒョナとミ二ョはどうするんだろうな」
「あの二人は親父の会社に入ることすら考えたことないんじゃないか。案外、他の道に進むんじゃねーの」


ジョンシンの言うことは確かに的を得ている。
ジョンヒョンは頭は良いが、音楽に興味を持っていて、とても父親の会社で仕事をしたいようには見えない。
ミニョクに至っては今は受験のことで手いっぱいで、そこまで頭が回っていないだろう。


四人が将来どういう立場になっているか分からないが、それぞれが自分に見合った仕事に就いていることが一番望ましい。
まだ先の話とは言え、ヨンファも近い将来、決断しなければならない。
その時、ジョンシンが力になってくれたらと、願わずにはいられなかった。










土曜日の夜。
塾から帰ってきたジョンシンがカバンの中から何かを取り出して、ヨンファに向かって見せてきた。


「これ借りてきたから、あとで一緒に観ようぜ」
「DVD?……何の?」


突然のことに、ヨンファは面食らった。


「アクション映画。友達が面白いからって貸してくれた」
「……あのな。こんなの観てる場合じゃないだろ。勉強は?ここでうだうだしてたら時間がもったいないだろうが」
「この程度、どうってことねぇよ。来週から合宿が始まるし、気分転換しないとやってられるか」


そう言われると、確かに勉強漬けでは可哀相な気もして、ヨンファは渋々承諾した。
数年前に劇場公開されて大ヒットしたハリウッド映画ではあるが、別に自分が観たいわけでもないのに付き合わされる羽目になり、
正直うんざりだった。
しかし、明日までジョンシンの好きにさせる約束をしていたので、仕方なかった。


観る前に先に二人で夕飯を食べ、交互にシャワーを浴びた。
ジョンシンがDVDをセッティングしている間、ヨンファは二人分のコーヒーを淹れる。
もし面白くなかったら適当に理由をつけて自室へ逃げようと、ヨンファは密かに目論んでいた。


二人並んでソファーに座って観始めると、確かにヒット作だけあり、冒頭から引き込まれた。
SFXやCGを駆使したアクションシーンは迫力があり、いつしかジョンシンの存在を忘れるほど観ることに没頭していた。


ストーリーは単純明快で、主人公の元警察官の男が悪の組織と闘うというもので、敵の女とのラブシーンも盛り込まれていた。罠に掛かって捕えられた男を、スタイル抜群の女が誘うシーンがかなり際どかった。


50インチの大画面に映し出された二人が濃厚なキスを交わし、服を脱いでベッドシーンを繰り広げる。
こういう映画は本来恋人同士で観るものだろうなと、ヨンファは漠然と思った。
子供の頃、家族と一緒に観ていたドラマで、ラブシーンを目の当たりにして気まずい思いをしたことがあるが、それに近いものがあった。


今更照れる年齢でもないが、画面の中で延々と繰り返される淫らなシーンに目のやり場に困っていると、突然、ヨンファの手が握られた。横に視線をやると、ジョンシンとまともに目が合ってしまう。
ヨンファが「なんだよ…」と呟いたのとほぼ同時に大きな手で頬に触れられて、唇が重なってきた。


いきなりの展開にヨンファは頭がついていかなかった。
一切そんな素振りを見せなかったので、すっかり油断していた。DVDを観るだけで終わると思っていた。


軽く吸われて離れた隙にヨンファはジョンシンから逃れ、抗議の声を上げる。


「……っ、待てよ……」
「今すぐ欲しい」
「!」


目を見開いて狼狽えているところに顎を優しく掴まれ、もう一度吐息を奪われる。
ジョンシンの唇は燃えるように熱く、執拗にキスを仕掛けてきて、背中がゾクッと震えた。
前触れもなく求められて、ヨンファは困惑した。


「ちょっと…落ち着けって」


ヨンファが後ずさると、ジョンシンが本格的に体重をかけて乗り上げてきて、ソファーに押し倒される。
咄嗟に逃げようとしたが両腕を掴まれ、気付いた時には、再び噛みつくような口付けに呼吸を塞がれていた。


押し当てられたジョンシンの中心が、かなりの熱量を発しているのに気付いてヨンファは焦る。
怖気づいて目の前の身体を渾身の力で押し返すと、折り重なるようにしてフローリングの床に倒れ込んだ。
ジョンシンが覆いかぶさってきて、熱を孕んだ目でヨンファの服の中まで見透かすようにじっと見つめてくる。


「もう痛みはないんだろ?」


それがジョンシンを受け入れた箇所のことを指していると分かり、ヨンファの顔にサッと朱が走る。
荒々しい手つきでTシャツをたくし上げられると、胸許に唇を落とし、ジョンシンは舌先で薄桃色の突起を擽るように舐めた。


「………っ」


声を上げそうになるのを、ヨンファは必死にこらえる。
それが気に入らなかったのか、ジョンシンは執拗に胸へ攻撃を仕掛けてきた。
両方の先端を代わる代わる舐めまわして、チュッと音を立てて吸い上げる。
唾液で濡れそぼり、赤みを帯びてきた乳首がジンジンしてくる。


息を整えている間に、突然ふわっと身体が浮いたかと思った次の瞬間、ヨンファは両腕に抱き上げられていた。


「お、おい…っ、何を……」
「移動するから、暴れんなよ」


ヨンファは思わず目の前の肩に縋り付くように両腕を回していた。
膝裏と背中を力強く支えられて、ジョンシンはグラつくことなく階段を上がり、連れて行かれたのはヨンファの部屋だった。


呆然としたままベッドに下ろされ、真上から圧しかかってくるジョンシンにスプリングが揺れて、ギシリと音を立てる。
ヨンファは予期していなかった展開に全身が竦んだ。
服を剥がすようにすべて脱がされ、自らも性急に引き締まった身体を晒してきた。


「もう…しないんじゃなかったのか…?」
「そんなこと誰が言った」
「だって……そんな素振りを見せなかったじゃないか」
「見せなかっただけで、その気がなくなったわけじゃねぇよ」


ジョンシンの本心を聞いて、ヨンファの身体に緊張が走る。


「ヨンファ……」


掠れた低音で呼ばれ、興奮で上気した端正な面立ちが、怖いほど真剣に見下ろしてくる。
数日ぶりに見る射貫くような眼差しに圧倒されていると、長い腕にきつく抱き寄せられて唇を塞がれた。
触れたジョンシンの身体は、火傷するかと思うほど熱かった。


ヨンファの唇から離れ、喉から鎖骨へとキスが移り、さっきまで散々弄られていた胸の尖りを狙うように落ちていく。
すでに硬くなっているそれに軽く歯を立てられ身悶えると、背中や腰を撫でていた手の平が下りていき、太腿に触れてきた。
ビクンと身体が跳ねると、反応していたヨンファを包み込み、ゆっくりと上下しながら刺激を与えてくる。


「あっ……ん……っ」


だんだんと動きを速めていく指先に追い詰められ、何も考えられないでいると、ジョンシンの吐息が熱を帯びた箇所にかかり、いきなり舌先が絡みついてきた。


「ンッッ、……やっ……ああっ」


有り得ないことが起こり、頭を殴られたほどの衝撃を受けた。


「や、…めろ……っ」


強すぎる快感に逃げかけた腰を、ジョンシンが強引に引き戻して、唇で愛撫してくる。
ヨンファは頭が真っ白になりつつも、両手でジョンシンの頭を引き剥がそうとするが、力が入りきらなくてジョンシンの髪の毛を梳くだけだった。


立てた膝の間でジョンシンの頭が小刻みに揺れていて、高みへ押し上げようとしている。
弟の唇に翻弄されて、ヨンファはあまりの快感に意識が飛びそうになった。


「やだ…って……離せ…よ……っ」
「我慢しなくていいから」
「ダメだっ……でき…ない…っ」
「ヨンファ、出して」


執拗に先端を吸い上げられ、弱い部分に軽く歯を立てられると、ジョンシンの口の中で弾けていた。
口許を拭っているジョンシンと視線が合い、ヨンファは居た堪れなくて目を逸らす。


「濡らすものがないから我慢して……」


開かれた奥に生暖かい濡れた感触があり、ヨンファは思いきり仰け反った。
ジョンシンの舌だと分かり、ヨンファは慌てて身体を起こそうとしたが、強い力で阻止される。


「あ、っ、あぁ………っ」


奥歯を噛み締めても、痺れるような快感に嬌声がこぼれるのを止めることはできなかった。
入り口だけでなく中まで探ろうとする奔放な動きに、ヨンファは恥ずかしくてたまらない。
そのうち指まで入れられて、喘ぎ声が次々と口をついて出る。


「んっ……ん、あ…アッ……あ」


すでにジョンシンに知られているポイントを念入りに擦り上げられて、あまりの刺激の強さに、頭がおかしくなりそうだった。
執拗なほど中を探っていた指が引き抜かれると、両脚を開かれ、受け入れる体勢をとらされる。
前回のような痛みはなかったが、ものすごい圧迫感に息をするのも苦しいほどだった。


「あ……、くっ……」
「痛いか?」


ジョンシンが心配そうな顔で覗き込んでくるのに、ヨンファは顔を横に振る。
それを合図に、ジョンシンがタイミングを計りながらゆっくりと動き始めた。


「あっ………んっ…ん」


ヨンファの顔や身体の反応を食い入るような目で見つめながら、大丈夫そうだと分かると、次第に動きを早めて強い抜き差しに変わっていく。


「ヨンファッ……」
「あっ……あ…ん……っ」


強靭な腰つきで大きく揺さぶられながら、形を変えているものに手を添えられ、今にも弾けそうだった。


「俺の名前、呼んで」
「……ジョン…シナ……」


汗が滴り落ちながら、ジョンシンは目を細めてヨンファのすべてを味わっていく。
ヨンファの感じるところを徹底的に攻略しようと、先端で浅いところを擦り上げて、深いところまで貫かれた。


無意識のうちに潤んでいた双眸を開くと、目の前には汗に濡れたジョンシンが怖いほど真剣に見下ろしてきて、その視線だけで神経が焼き切れるような錯覚に陥る。
唇が重なってきて、キスを交わしながら身体の最奥を熱い昂りで抉られるたび、甘い痺れが全身を駆け抜けていく。


ヨンファはあっという間に昇りつめて、ジョンシンも中で果てるのを感じた。










「ちょっと待ってろ」


ヨンファの唇を啄ばんで名残惜しそうに離れていき、ジョンシンがベッドから下りる。
下だけ履いてこちらに向けた背中に赤い筋がついている。それは、ヨンファが爪を立ててできたものだった。


複雑な目で見送りながらベッドに横になっていると、ペットボトルのミネラルウォーターを手にして戻ってきた。


ジョンシンはベッドに腰をかけて、水を含んだままヨンファにキスをしてきた。
口移しで水を飲ませられ、また身体の奥に火がつきそうになることに戸惑う。


「よせよ……もう終わったじゃないか…」
「まだ…足りない」


ジョンソンが要求を突きつけてきて、ヨンファは目を瞠った。
中に出されたところを再び長い指に探られて、鎮まりかけていた熱が急激に集まり始める。





「後ろからしてもいいか?」


四つん這いの姿勢を取らされ、ヨンファの返事も聞かず、背後から重なってきて、奥まで押し込む。
ゆっくりとした抽挿が次第に一定のリズムを刻み始めて、ヨンファは我慢しきれずに声を上げた。


「……アッ………ッ」


シーツに肘をついて額を押し付けて、腰だけ高く上げさせられて、顔から火が出るほど恥ずかしい。


「……んっ……動きを早めるから……」


後ろから覆いかぶさったジョンシンに耳許で囁かれ、腰骨をより強く掴まれて激しく揺さぶられる。


「ん……う、ん、ンッ……あ、あっ……っ」
「ここを突くと……中がギュッと締まって……すげぇ気持ち良い……」


熱に浮かされたような欲が滲んだ声に、ヨンファの全身が熱くなる。


「なぁ、どうやってんの?」
「…知る……か…っ…」
「乳首を擦っても、ほら、うねってる」
「ンアッ……ああっ……」
「狭くて…きつくて……最高……っ」


ガクガクと膝が揺れ、身体を支えていることが辛くなってきた。
背後から顔を寄せてきたジョンシンに顎を捉えられ、強引に後ろを向かされ口付けが降ってくる。
身体の奥を穿つ動きに合わせたように深く唇の中を探られて、荒れ狂うような熱がさらに上がっていく。


絶え間なく押し寄せる波に翻弄されて、ヨンファは深い悦楽の底で溺れているしかなかった。










「ヨンファ…もっと欲しい……全然足りない……」


甘えるみたいに強請られて、ヨンファはゾクッと全身が粟立つ。
何をそんなに焦っているのか。何故、こんなに立て続けに性交に及ぼうとするのだろうか。


「……こんなに何度もできるわけないだろっ。常識で考えろよ」
「ベッドの中で、そんなお固い言葉が出るとは思わなかったな」


悪戯っ子のような色が混ざった情熱的な目で見返されたが、それがすぐに変わった。


「これから先もずっと、ヨンファは変わらないでいてくれ。何があっても…」


突然、真面目な顔つきで言われて、咄嗟に声が出なかった。
どうして急にそんなことを言い出したのか、この時のヨンファにはまだ分からなかった。


数日前の思い詰めたような表情をしたジョンシンを思い出した。
一体何を考えているのだろう。自分には話せない悩みでもあるのだろうか。
はっきりと口にしないジョンシンに、言い知れぬ不安がヨンファの頭をよぎった。









外が明るくなり朝を迎えても、ジョンシンはヨンファを放そうとはしなかった。


まるで子供がジュースやお菓子を際限なく欲しがるように、ジョンシンの欲望はキリがなかった。
ベッドのシーツは二人の身体から滴り落ちたもので汚れ、途中で新しいものに替えても、またすぐに同じことになった。


インターバルを挟んでいると言えど、もう何回目になるのか数さえ分からない。
静かな室内には喘ぎ声や水音が響き、ベッドは長時間に渡りギシギシと軋み続けている。





唇を奪われたまま、最奥の弱いところを狙ったように突かれて、ヨンファは大きな背中に両腕を伸ばす。
優しい声色に促されて、支えられるまま身を起こすと、ジョンシンを中に感じたまま自分の方が上になっていた。


「……あっ…ちょっ……待っ……」


向かい合ったジョンシンに下から腰を動かされ、慌てて目の前の首に縋るようにしがみつく。
初めて取らされた格好にひどく狼狽していると、食らいつくようなキスをされる。


結合部分は何度も擦られてヒリヒリと腫れているようだったが、その痛みを大きく上回るほどの快感に溺れていた。
次第にヨンファは高みへと追い上げられ、最後の方はほとんど意識が飛びかけていた。


「ヨンファ…………てる……よ」


ジョンシンが何か言ったが、ヨンファにはよく聞き取れなかった。
気を失いそうになりながらジョンシンの顔を見るが、再度その口が開かれることはなかった。










半日にも及ぶ濃密な時間からようやく解放されたのは、正午を過ぎた頃だった。


「昼飯はどうする?」
「……作れるわけないだろ」
「じゃあ、俺が作る。インスタントラーメンでもいいか?」
「……なんでもいい」


ヨンファはベッドに突っ伏して、もう指一本動かせる状態ではなかった。
長時間ここで抱き合ったせいか、身体全体が重い上に節々は痛み、抉られ続けた箇所はまたヒリヒリとした違和感があった。
あれだけセックスしておいて、すぐに起き上がれるジョンシンの驚異的な体力には唖然とした。


ジョンシンがラーメンを作っている間に、ヨンファは身体を引きずるようにして、バスルームでシャワーを浴びた。
そして、なんとかテーブルについて食事を摂って、あとのことは全部ジョンシンがやってくれた。





ジョンヒョンとミニョクが帰ってくる時間が迫ってくるにつれて、互いに約束の期限が近付いていることも分かっていた。
しかし、ジョンシンが何かを言うわけでなく、ヨンファも口を噤んでいた。


本当は言いたいことは山ほどあった。
これでもう気は済んだのか?
男を相手にしてどうだった?
やっぱり女の方が良かっただろう。


言い出したらキリがないから、それは敢えてやめておいた。
終わったことを今更言ったって、仕方のないことだ。


清々しい顔をしたジョンシンを見ると、もう気持ちを切り替えているようだった。
念押しはしなかったが、ジョンシンは約束を破るような男ではないから、ソヒョンのことも恐らく大丈夫だろう。


自分たちのしたことは人の道を外れることで、決して許されるものではない。
だから、これで良かったのだと、胸の痛みに気付かない振りをして、ヨンファはこの気持ちに終止符を打った。


もしかしたら、お互いに相手からの言葉を待っていたのかもしれない。
でも、ジョンシンは曖昧な笑みを浮かべるだけで、特に何も言わなかった。
いつもは鋭い双眸が、優しい光をたたえて真っ直ぐに見つめてくる。


「明日から合宿でいないから、あとのこと頼むな」


湧き上がる想いを必死に抑え込んで、ヨンファは言った。


「……ああ。ミニョと入れ違いだもんな。しっかり勉強してこいよ」





―――これで本当に最後だった。










そして夜、ジョンヒョンとミニョクが時間差で帰ってきた。
一週間ぶりに四人が揃って一緒に夕飯を食べたが、ヨンファはあまり食が進まなかった。


ジョンヒョンは少し見ない間に日焼けしていて、ミニョクはゲッソリと目の下にくまができていた。
ジョンシンを見ると、普段とまったく変わらない様子で、この一週間は何もなかったことのように振る舞っている。








ヨンファの生活は平穏な日々に戻ったはずだった。
しかし、予想に反して、胸の痛みは完全に消えるどころか、一層膨れ上がってしまった。
それは、ジョンシンと身体を重ねてしまったことによって、多くのものを得てしまったからだろう。


これならいっそ、一週間前までに戻りたかった。今よりもまだマシだった。
でも、どんなに望んだところで、時間を戻すことはできないし、自分の言動をなかったことにすることもできない。


元の生活に戻っただけなのに、妙に寂しいと感じるのは何故だろう。
もう二度とあの唇とキスを交わすことはないのだと分かっているのに、過ぎ去った日々を何度も思い返す自分に苦笑いしてしまう。


今更なにを言っても遅いが、ジョンシンに想いの丈をぶちまけて玉砕した方がいっそ楽になれたかもしれない。
ヨンファにはそんな勇気も度胸もありはしないのに。
それ以前に、蔑まれ罵られるだろう。


せめて見苦しい真似だけはしたくなかった。
兄弟としての絆まで失ってしまえば、きっと自分は立ち直れないだろうから―――。










ジョンシンが塾合宿で留守の間は三人で過ごした。
ヨンファは家事をこなしながら課題や休み明け試験の勉強に取り組み、時には友人たちと遊びに行った。


ジョンシンが戻ってきてからも、生活に変わりはなく穏やかな日々が続き、そして、夏休みはあっという間に終わった。










新学期に入って、家の中の空気がガラリと変化した。
大学入試までの日数が残り僅かというのもあるが、ジョンシンの顔つきが変わったのだ。


相変わらず、ミニョクと同様、学校と塾の往復生活で多忙を極めていたが、リビングでテレビを観たり寛ぐことも一切なくなったし、
食事の時間が終われば、雑談をするでもなく即片付けて、二階へ上がって行った。
どうやら自室で勉強をしているようだった。


最初は良い傾向だと三人で面白おかしく話していたが、そのうちヨンファはジョンシンと会話をすること自体が少なくなっていった。
朝も自発的に起きるようになったから、ヨンファが起こす必要もない。
ジョンシンのお守から解放されて清々するはずなのに、ヨンファは一抹の寂しさを感じずにはいられなかった。










日曜日の昼、時差の関係で、アメリカに住んでいる母親から定期的に電話が入ることになっているが、今日はたまたま四人揃っていた。


『ヨンファ、変わりはない?困ったことは?』
「特にないよ。二人とも元気に過ごしてる?」
『ええ、元気にしてるわ。お父さんは相変わらず忙しくしてるけど、私は貴方たちがいなくて寂しいわ』
「こっちに帰ってくる予定はないの?」
『まだしばらくは帰れそうにないわ。大変だと思うけど、ヨンファ、頼むわね。何かあれば、いつでも連絡してちょうだい』
「うん、分かった」


ヨンファがまず最初に自分の近況報告や兄弟の様子、その他のことについて母と話をして、そのあと、ジョンヒョン、ミニョクと続き、
最後にジョンシンの番になった。
すると、受話器を持ったままリビングから出て行ってしまった。
何か聞かれたくない話でもあるのだろうか。










「明日から二週間ほどアメリカに行ってくる」


11月に入ったばかりの朝、四人で朝食をとっていると、ジョンシンが突拍子もないことを言い出した。
コーヒーを飲んでいたヨンファはハッと顔を上げた。


「ジョンシナ、連日の勉強で頭おかしくなったんじゃないか?」
「何、突然、訳分からないこと言ってんだよ」


ジョンヒョンとミニョクは揃って呆れたような声を出したが、ヨンファは違っていた。
以前から時々様子のおかしかったジョンシンに、違和感を覚えていたことを思い出した。
それが、この発言と間違いなく関係していると、直感的に思った。


「学校にはお袋から連絡してもらってる」


その言葉に、ヨンファは僅かに目を瞠った。
一体何を言おうとしているのか、不安でたまらなくなった。





「向こうの大学に入りたいから、その準備のために行ってくるよ」


予想もしていなかったジョンシンの言葉に、ヨンファは心臓が止まりそうになった。





To be continued





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haru
Author: haru
CNBLUEのBL小説を書いています。CPはシンヨン&釜山ズ&ミニョヨンです。ヨンファ溺愛主義でとんでも妄想ばかりですが、愛だけはぶっこんでいます。
話のトーンはほのぼの、甘々、コミカル、シリアス、切ない系。ハピエンオンリーです。
基本マイペースでランダム更新。妄想は思いつくまま、気の向くまま。R18の内容が含まれているため、未成年の方、苦手な方は閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
尚、当ブログに掲載している作品はすべて私個人のオリジナルですので、模倣、転載等はご遠慮願います。

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