CNBLUEのBL小説ブログです。ヨンファ溺愛主義で、シンヨン&釜山ズ&ミニョヨンの話を書いています。

蒼き運命 -アオキサダメ- 73

2018年10月24日
蒼き運命 -アオキサダメ-(極道パロ) 2






開いたドアの中へと促されるまま、ヨンファの自宅マンションに一歩足を踏み入れた刹那、小春日和のような暖かさの室内に迎えられる。
オンドルで温められた空気は一時的に冷えていたジョンヒョンの身体を優しく包み込んでくれ、それまで尖らせていた神経が少しばかり鳴りを潜めるのと同時に、ひどく柔らかい気持ちになるのを感じた。
ヨンファと恋人同士の関係に戻れるのは、完全にふたりきりになってからなのだ。
言いようのない充足感に満たされ、ジョンヒョンは無意識に安堵の息を吐いた。


会いたい時にすぐ会えない現状をもどかしく思いつつも、こんなふうに当たり前のようにヨンファの傍らにいられるようになったことがいまだに信じられない。
こちらから敢えて伝えるつもりはないが、ジョンヒョンがどれほど救われているか、本人は知らないだろう。


玄関でウィングチップの革靴を脱ごうとすると、ヨンファはすたすたと先に奥へと入っていった。
そのしなやかな背中を目で追いながら、懐かしい我が家に帰ってきたような不思議な感慨を覚えて、ジョンヒョンは一瞬、動きを止める。
ヨンファと再会しなければ、こんな感覚は長らく忘れかけていた。
それに、自分が青龍組の若頭補佐からイ・ジョンヒョンというひとりの男に戻れるのも、彼のそばだけだ。


廊下の先には、ひとり暮らしにしてはわりとゆったりとした空間が広がっている。
1LDKといえど、リビング兼ダイニングキッチンが広々としている上、ヨンファの性格さながらに、いつ訪れてもすっきりと片付けられているからに他ならない。
モノトーンを基調としたシンプルで統一感のある部屋はさほど飾り気がなく、肌にしっくりと馴染むような気安さがあった。
ネクタイの襟許を緩めながら周囲を見渡せば、書棚には医学関係の専門書や文芸書がぎっしりと並べられており、寝室の壁面にも同様の書架が設置してある。
昔から読書家で勉強熱心だったヨンファらしいなと、そういう知的な部分にも惹かれるのだ。


自室に消えたヨンファはというと、ジョンヒョンがそっと着せかけたコートを脱いで、皺にならないようにハンガーにかけている様子が開けっ放しのドアからちらりと見える。
照明の柔らかい光に照らされて、ヨンファの鮮やかな金髪がやけに眩しく目に映った。
ブルーグレーのスリムスーツがよく似合っていただけに、私服に着替えたのが残念でならないが、襟ぐりがゆったりしたニットとシャツの重ね着にデニムといった格好もカジュアルでまた違った印象を与える。


思い返せば、『Club Blueming』の煌びやかかつ贅沢な店内において、飛び抜けて目を引いたのは間違いなくヨンファだった。
顧客のニーズに合わせたきめ細やかなサービスと、かなりレベルの高いホストを揃えていることを売りにした有名店なのに、贔屓目抜きでヨンファの洗練された美しさに匹敵する者は誰ひとりとしていなかった。
ジョンヒョンより数センチ低いものの平均身長は超えていて、細身ですらりとした体躯は高校生の頃とあまり変わらない。
加えて、メンズモデルさながらの華やかな容姿と醸し出す雰囲気は他を寄せ付けず、医師を生業としているとは普通想像すらつかないだろう。


凛とした透明感のある美貌と内面から滲み出る品格を兼ね備えたヨンファが自分の恋人だと改めて認識し、ジョンヒョンの口許が思わず緩みそうになった。
人間とは実に欲深いもので、彼から遠ざかるように裏社会に身を投じて己を律していたにもかかわらず、手に入れた途端、今度は誰にも奪われたくないと躍起になっている。
正直、こんなに堪え性がないとは思ってもみなかった。
危うく締まりのない顔になりかけたのを慌てて口を真一文字に引き結んだところで、ドアを閉める音がする。
反射的に振り返り、さほど間を置かずに戻ってきたヨンファを前にした瞬間、心がざわりと波立った。


「寒かっただろ。何か温かいものでも飲むか?」


こちらを気遣うような柔らかな声音が引き金となったのか、それとも、邪気のない控えめな微笑を目にして箍が外れてしまったのか。
情動に衝き動かされるまま大股で距離を詰め、気づいた時には、キッチンへと向かおうとした誰よりも愛しい人を背後から抱き込んでいた。
慣れないホストの真似事をして疲れているのは百も承知だが、布越しに感じられる体温にどうしても今欲しいと、逸る気持ちを抑えられなくなる。
予期していなかったらしく、形のいい耳を軽く甘噛みすれば、ヨンファが小さく息を呑む気配がした。


「それよりも、ヨンファが温めてくれ」


ストレートに想いをぶつけて白いなめらかな首筋に唇を滑らすと、腕に捕らえた恋人がビクンと肩を揺らす。
身を硬くする様子から、どうやら熱を持ち始めたジョンヒョンが臨戦態勢になっていることにも気づいたようで、密着した箇所から微かに動揺が伝わってきた。


「……ん、……痕、は……」
「分かっている。見えるところにはつけない」


恋人関係になってもいまだに物慣れない態度に、どうしようもなく庇護欲を掻き立てられる。
常日頃、人目につくところは痕跡が残らないように自制しているものの、布切れに隠れる部分には所有の証ともいえる刻印を至るところに散りばめてしまうため、あとでヨンファからこっぴどく叱られるのは毎度のパターンだ。
真っ赤な顔で抗議されても説得力に欠けるというもので、ジョンヒョンは馬耳東風の姿勢を貫いている。


華奢な身体を抱き竦めたまま耳の後ろやうなじに舌を這わせているうちに、それまで遠慮がちだった欲求が一気に加速した。
背後からヨンファの着ているグレーのニットを捲り上げると、意図を悟ったヨンファも両手を上げて脱がせやすくしてくれる。
自分と同じように抱き合いたいと思っているのが分かり、一刻も早くヨンファの全身に触れたくなって、手をかけた白いシャツのボタンを上から順に外していく。
はだけたところから滑り込ませた指で肌理の細かさを失うことのないしっとりとした素肌をじかに撫でれば、途端に腕の中の恋人が全身を震わせた。
すでに知り尽くしている手に吸いつくような感触を楽しみながら、感度のよさに煽られるように胸の突起を探る。


「……っ、ん、……っ」


指先でほんの少し刺激を与えるだけで素直に硬く尖る乳首に、ジョンヒョンの下肢に溜まった熱がさらに漲ってきた。
奥まで深く暴くように繋がって、汗ばんだ背中の青い龍に爪を立てさせたまま甘い声を上げさせたい。
デニムの硬い生地に覆われた腰のラインを手のひらでそろりとなぞると、ヨンファは首を捻って振り返り、身体ごとこちらに向き直る。
ジョンヒョンが動揺せずにはいられないような無防備な澄んだ瞳が、至近から視界に映り込んだ。


少し照れたような上目遣いは甘えを含んでいて、想いが通じ合ってから時折見せるようになった仕草だ。
普段はストイックな雰囲気を纏い、何事にも淡白そうに思えるのに、アルコールのせいでほんのりと上気した両頬はどこか淫靡な空気を漂わせている。
容姿に関して何か言うと、気が強い面も持ち合わせている恋人が臍を曲げる可能性があるため、おとなしく自分だけの胸の内にとどめておくことにした。
自分よりも少し低い位置にあるヨンファの綺麗な貌を覗き込み、ほっそりした顎を指先で優しく捉える。
互いの吐息が触れそうな距離まで唇を近づけ、細い鼻梁に沿ってキスを落としていくと、条件反射のように目を閉じるヨンファに理性が飛んだ。


「ヒョ、ニ……、――っん……」


伏せられた長い睫毛に魅せられながら、赤みを帯びた無防備な唇に誘い込まれるように柔らかな吐息ごと奪えば、可愛い声がこぼれた。
すぐに明け渡してくれたヨンファの唇は驚くほど甘く、絡みついてきた舌をやんわりと吸っただけで、繊細な指先が縋るようにジョンヒョンの肩に食い込んでくる。
意識していないのだろうが、しどけなく開いた唇から覗く濡れた舌がぞくりとするほど艶っぽい。
すべてを貪るような本気のキスを仕掛けると、懸命に応えながらも息苦しさを感じるのか、仰向いた細い喉が鳴った。
その音で冷静さを取り戻したジョンヒョンが力を緩めると、ヨンファが慌てたように腕の中からするりと抜け出す。


「あ、……ちょっと、待ってくれ。――シャワーを浴びてくるから……」


綺麗好きだけあって、睦み合う前の最低限のマナーだと思っているのは想像に容易い。
こちらとしてはこのままベッドになだれ込んでも一向に構わないのに、事に及ぼうとするとヨンファはバスを使うと言って譲らないのだ。
ボディソープの香りも悪くはないが、ヨンファの身体からほのかに漂ういい匂いも気に入っているため、どこか惜しい気分になる。


「ヨンファ、まだお預けなのか?」


おもむろに手を伸ばして、こめかみにかかる金髪を指で梳きながらさらりと尋ねると、ヨンファは黒目がちの大きな瞳をいっぱいに見開いた。
睫毛を震わせながら、一拍逡巡するような少しばかり困った顔つきを目の前で見せられたジョンヒョンは自然とデレ顔になりかけ、気づかぬうちに罪作りな恋人に完全に翻弄されていることに気づく。
自分の表情や仕草のひとつひとつが、相手に官能的な印象を与える場合もあることをもう少し自覚した方がいいのではないかと、軽い目眩に襲われそうになった。


「早く髪の色を落としたいんだ。何か適当に飲んでいてくれれば……」
「俺は、そのままがいい」
「――え」


間髪を容れずに即答すると、ヨンファは不思議そうに首を傾げてこちらを見る。


「髪を洗うのは、あとにしてくれないか」
「どうして?こんな状態だと落ち着かないから、元に戻したいのに……」
「そんなに急ぐ必要はないだろう。絶好の機会は、最大限に活用しないとな」


ジョンヒョンの言葉に、ヨンファは「ん?」と怪訝そうに眉を寄せた。


「金髪のヨンファと抱き合いたい」
「………っ」


端的に言い切れば、よほど思いがけなかったのか、ヨンファはぎょっと瞠目する。
生真面目な恋人だけにすんなりとはいかないかもしれないが、ジョンヒョンとしてもここは一歩も引くつもりはなかった。
鳩が豆鉄砲を食らったように呆然としている姿を見せられると、なぜかむくむくと悪戯心が湧いてきて、意図的にヨンファの耳許にすっと唇を近づける。
どれほどの効果があるか未知数ながら、ジョンヒョンは持ち前の甘い低音で囁くように尋ねた。


「俺のたっての頼み、ヨンファなら聞いてくれるだろう?」





To be continued





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haru
Author: haru
CNBLUEのBL小説を書いています。CPはシンヨン&釜山ズ&ミニョヨンです。ヨンファ溺愛主義でとんでも妄想ばかりですが、愛だけはぶっこんでいます。
話のトーンはほのぼの、甘々、コミカル、シリアス、切ない系。ハピエンオンリーです。
基本マイペースでランダム更新。妄想は思いつくまま、気の向くまま。R18の内容が含まれているため、未成年の方、苦手な方は閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
尚、当ブログに掲載している作品はすべて私個人のオリジナルですので、模倣、転載等はご遠慮願います。

Comment(2)

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2018/10/28 (Sun) 01:47
haru

haru

i*****さん

こんばんは♡

話を読んでもらう時に、画像を見て想像して下さるなんて嬉しい♪
これはホストクラブ編を書いている時に見つけたもので、私もうひょ~って鼻血が出そうになりました。
ようやく突入した甘々ゾーンだけど、萌えてもらって良かった♡♡
今回はじっくりと腰を据えて、アダルティな感じの二人をお届けしたいと思っています(〃ω〃)

「BROTHERS」お披露目されましたね。
なるほど。i*****さんはまだ見るのは辛いのね。
私の感想は、この曲は中毒性があるなぁと。
音楽のことに詳しくないので、ピントがずれているかもしれないけど、いきなり重厚な出だしから始まり、その後、80年代の洋楽を彷彿とさせる懐かしいサウンドだなという印象を受けました。
サビの切なさが滲んだような箇所と力が漲ってくる感じが私の好みとピッタリで、すごい鬼リピしてます。
これを日本語訳の歌詞つきで見ると、自然と涙が…(´;ω;`)

今日、行かれてるんですね。もう終わったかな。
やっぱり何かしら萌えがないとね。
一年前のこと、時々ふっと思い出します。月日が経つのは本当に早い。
あと二ヶ月で今年も終わりだし、ヨンファが帰ってくるのもあっという間な気がします。
それまで、私もいろいろと萌えを模索して、片っ端から形にしていきますね。
取り敢えず、極道とマニトを何とかやってみます(´・ω・`)b

2018/10/28 (Sun) 20:40