CNBLUEのBL小説ブログです。ヨンファ溺愛主義で、シンヨン&釜山ズ&ミニョヨンの話を書いています。

蒼き運命 -アオキサダメ- 63

2018年02月17日
蒼き運命 -アオキサダメ-(極道パロ) 10






何かに吸い寄せられるように視線を転じて金髪ホストと目が合った瞬間、息が止まるかと思った。


――そんな馬鹿な。俺は、夢でも見ているのか……。


こぼれ落ちそうな黒目がちの大きな瞳。細い鼻梁。赤みを帯びた艶やかな唇。
派手な髪色をした男の正体がヨンファだったという事実を知り、衝撃のあまり冷静沈着なジョンヒョンは気が動転しかける。
真正面には紛れもなく、ここにいるはずのないヨンファが優美な佇まいで、ラグジュアリーなラウンドソファに姿勢よく座っていた。
しかも、思わず目を疑ってしまうようなあり得ない格好で、だ。


細身にフィットしたブルーグレーのスリムスーツに白のドレスシャツを見事に着こなし、光沢のある漆黒にブルーローズがあしらわれたシルクストールをリングモチーフに通して、襟元を華やかに見せている。
一体、誰が用意したのか、繊細な面立ちのヨンファに備わっている知性や美しさを最大限に引き出すように、意図的に計算し尽くされたものだと分かった。
芸能人かと見紛うばかりの容姿のいい男性陣を揃えた、国内でも指折りのホストクラブにおいて、その中に埋もれてしまうことなく、他を圧倒するほどの輝きを放っている。


いきなり目の前に突きつけられた現実に愕然としながらも、しばし見惚れてしまったのは、その姿があまりにも眩しかったせいだ。
ヨンファ……っ、と危うく愛しい人の名を叫びそうになったのを、何とか理性で押さえつける。
一週間も顔を見ず、声も聞かずの現状に痺れを切らし、こちらから会いに行こうと決めていたが、まさかこんなところでばったり出くわすとは予想だにせず、さすがのジョンヒョンも度肝を抜かれた。


このドラマみたいな偶然に不意をつかれたのは同じだったらしく、信じられないとばかりに綺麗な双眸を大きく見開いた恋人から動揺が伝わってくる。
何とも言えない微妙な表情で気まずそうに何度か瞬き、若干伏せ気味の長い睫毛は微かに震えているように見えた。
それが、まるで悪戯が発覚して決まりの悪そうな子供を彷彿とさせ、庇護欲を掻き立てられる。
どこか落ち着かない様子から察するに、多少の後ろめたさは感じているようだ。
これまで威圧的な態度を取ったつもりはないが、先日の件で嫉妬深いと思われてしまったのかもしれない。
軽く噛み締められた唇は、真っ直ぐで純粋なヨンファの心情を如実に表しており、愛しくてたまらなかった。


決して、そんな顔をさせたいわけじゃないのに――。
事情があるのなら、こちらとて頭ごなしに反対しないし、起きてしまったあとでヨンファを責めたり追及するのも自制しなければと思っている。
同性ゆえに体面等の譲れない部分はあって当たり前で、いろいろ考えるところもあるのだろう。
それを否定するつもりは、毛頭ない。
ヨンファの抱えている逡巡も何もかもを、丸ごとひっくるめて受け止めてやりたかった。
いくら抱いても完全に流されることなく、矜持や信念を失ったりしない彼だからこそ、こんなにも惹かれ続けているのだ。


就活中の身でありながら南部洞組が経営しているホストクラブにいるのは自らが望んだのではなく、何らかの事情があることは明白だ。
生真面目で一本気な性格だけに、恐らくホンギあたりに泣きつかれて不承不承手伝っているとしか考えられなかった。
おおかたチルソン組の件で世話になったからという理由で、承諾したのではないだろうか。
この一週間、連絡すら取り合っていなかったため、自分のあずかり知らないところでそういう話になったとしても、何ら不思議ではない。
些細なことが原因で感情がわずかにすれ違ってしまったが、ジョンヒョンとしてはもっとお互いの心を曝け出して、唯一無二の存在のヨンファとは何で言い合える関係でいたいと思っているのだ。


衝撃的な展開にもかかわらず、ジョンヒョンは決して取り乱すことなく、感情を表に出さぬよう努めて無表情を装った。
何事にも動じないつもりでいても、ひとたびヨンファが絡むと平静ではいられなくなり、自分でも呆れるくらい不器用になる。
それだけ、本気だという証しでもあるのだ。


見た目には絶対に誰にも分からないという自信があるポーカーフェイスからは想像できないくらい目の前の恋人にすっかり魅せられてしまい、自然と鋭くなっていた目つきがほんのわずか揺らぐ。
あまり自分の容姿に興味がないらしいヨンファは、普段は理知的でストイックな印象があるだけに、ドレッシーに着飾ったことによって潜在的な美しさまで触発されて一気に噴き出したようだ。
ヨンファが綺麗なのは今に始まったことではないが、気品に満ち溢れていて、また新たな一面を見つけたような気分だった。


先ほど後方から目にした時の違和感が露ほどもない鮮やかな金髪は色白の肌に映えており、彼の品格が損なわれることはない。
耳にピアスのようなものまでつけている有様でも、それがまた軽薄にならず、整った顔立ちによく似合っていた。
まるで原石を引き立てるようにより一層華やかな雰囲気を纏い、いくらなんでも公衆の面前で色気を出しすぎだろうと、心の中で深々と溜息をつく。
恋人であるジョンヒョンでさえ翻弄されてしまうのだから、今日、この場で何人の男の心を虜にしてしまったのか、考えるだけで頭が痛くなった。


できることならヨンファをそばに置いて、誰にも見せずに自分だけのものとして閉じ込めておきたい。
そんな自分勝手な独占欲が、頭の中で渦巻いてしまうくらいだ。
無言を貫いたままじっと見据えると、こういう特殊な席で勧められる酒のせいか頬をほんのり赤らめながら、ベッドの中のようにむやみやたらと艶めいた上目遣いで真っ直ぐに見返してくる。
咄嗟に、そんな顔はふたりきりの時だけにしろ……っ、と脇目も振らずに猛抗議したくなったが、実際にはできるはずもなく、何とか気分を落ち着けようと無駄な努力をしてみた。


ジョンヒョンがジョン家に引き取られた時点で、すでにこの世にいなかったヨンファの母親が相当な美人だったらしく、澄んだ透明感のある類い稀な美貌は母親譲りだと聞いている。
したがって、外見の華々しさはもちろんのこと、内面から溢れ出る輝きはもはや隠しようがないのだ。
こういうのを嫌う本人にとっては不本意かもしれないが、ずっと眺めていたいと思うほどの鑑賞に値する。
これでもかと無自覚にフェロモンを振り撒いて、ついフラフラと引き寄せられてしまう人間がどのくらいいるか、ヨンファは分かっているのだろうか。
白い首筋や薄い肩の辺りを見つめていると、煽り立てられるようにスーツの奥を暴きたくなり、後ろ暗い欲望が頭を擡げようとするのをジョンヒョンはぐっと理性で抑え込む。


髪の色が違うだけなのに、なぜすぐにヨンファだと気づけなかったのか、今さらながら、俺としたことが……、とジョンヒョンは己の愚かさに臍を噛む思いがした。
繊細な肩のラインから目が離せなくなって、自分でもわけの分からない衝動に困惑していたのだ。
ヨンファ以外の人間に心を傾けることなどあり得ないだけに、後ろ姿の金髪ホストに対して妙に落ち着かない気持ちになったのも、今なら頷ける。


彼は常に理性的な思考の持ち主で、穏やかで温かみがありながら、凛とした強さを兼ね備えている。
だから、あれほどスンヒに迫られても肝が据わっていて、屈することなく実にうまい具合に躱したり、さらりと受け流していた。
それは、自分という存在が少なからず関わっているからだと思っていいだろう。
ただの自惚れではなく、彼のひたむきさから自然とそう受け取れるのだ。
互いに照れもあって、直接的な愛の言葉を口にする機会はあまりないものの、肌を合わせれば心が通じ合っているかどうかはおのずと分かった。
それを証明してくれるような光景が目の前で繰り広げられ、思いがけずこの場に居合わせたのは儲けものだと言える。
その反面、ベタベタと馴れ馴れしく触れたスンヒに対しては制裁を加えなければならないが。


二十年近くも、伊達に同じ相手を想い続けてきたわけではなかった。
初めて顔を合わせたあの日、華奢な身体つきと少女めいた面差しに目を奪われてしまった瞬間から、すでに恋に落ちていたのかもしれない。
どこかで噂を聞きつけた芸能事務所のスカウトが中高生時代、学校周辺をうろついて、ヨンファを執拗に追い回していたことまでふと思い出す。
ずっと胸の奥で恋心を燻らせ続けていたため、ただ指を咥えて見ているしかできないジョンヒョンは、焦りにも似たもどかしいような感情を長い間持て余していた。


この世界に入ってからも、ジョン組長にとってかけがえのないひとり息子であり、医師として志を高く持った生き方をしているヨンファを極道ごときの私情に巻き込んではいけないと、自分を律してきた。
五年ぶりに再会し、心の奥底に閉じ込めたままだったものが再燃しそうになったが、若頭補佐という重責を担う立場でもあるため、当初は絶対表に出さないように無理矢理押し殺していた。
だが、ふたりの気持ちが同じであることを相互に確認し合い、今のような関係性を築いてからは遠慮するのをやめたのだ。
限られた時間を共有し、その機会を重ねていくごとに彼を手放すことができなくなり、永遠にこんな日が続けばいいと強く願うようになった。


自分なんかと一緒にいれば、いつ危険に晒されてもおかしくないし、気苦労は絶えないだろう。
それを承知の上で、南部洞組イ組長の娘との縁談を正式に断り、両親の墓参りに同行してほしいと口にしたのだ。
決して、生半可な想いからではない。
こちらの真意は、即答で快諾してくれたヨンファにもちゃんと伝わっているはずだ。
気が遠くなるほど欲していた彼を初めて抱いた時は、様々な迷いや葛藤を抱えていたようだったが、月日が経つにつれて、自分たちの将来を前向きに捉えてくれていると確信めいたものが感じられた。
いずれ折を見て、具体的な話をしたいとは思っているが、今はまだその時期ではないだろう。


それはそれとして、今は目の前の現状を何とかしなければならない。
さて、厄介なことになったな……、とジョンヒョンは即座に落ち着きを取り戻して、ざっと把握した状況を頭の中で整理した。
その他大勢のひとりにすぎないホストなら、速やかに任務を遂行する心積もりだったが、ヨンファとなれば話は別だ。
冷静かつ慎重に事を運ばないと、前回の二の舞を演じることになる。
ヨンファが青龍組と関わりがあるとこの男たちに感づかれたら、チルソン組のように付け狙われる可能性があり、ジョンヒョンにとって望んでいない事態を招きかねなかった。
仮に跡目を継がなくても、青龍組組長のひとり息子なのだと断じて知られるわけにはいかないのだ。


斜め前に突っ立っているジョンシンも、どうしていいのか判断に迷ったのだろう。
尋常ではない驚きようから何かあるなと警戒していたが、ヨンファが絡むとこの男も平静を失ってしまうらしい。
その当の本人は、普段通り論理的に物事を捉えているのか、一切口を開かずに何事もなかったかのように平常心を保とうとしている。
聡明で頭の回転が早いだけあり、どのように対処すべきか思考を巡らせているに違いなかった。


歩を進めたところで、ほぼ同時にこちらを振り返ったジョンシンと瞬間的に顔を見合わせて意思の疎通を図る。
察しのいい弟分は言葉を交わさなくても、ジョンヒョンの考えていることを瞬時に読み取って撃てば響くように動くので、実際に助かっている面は多かった。
ただ、案の定というか、剣呑な空気を纏いながらも鼻の下が若干伸びているのが長年の付き合いから見て取れる。
ホストコスプレのヨンファにデレデレになっているのだと見当がついて、まったくもって面白くなかった。
この男の図太い神経と諦めない精神には、ほとほと手を焼いているのだ。
ジョンヒョンは舌打ちしたい気分で、とっとと終わらせようと長身の横に並んだ。


周囲に目を凝らすと、ハンとグンソクが何事かとこちらを注視していて、フロアの右隅にあるシャンパンタワーの横には、ホストに扮している見知った南部洞組の組員が立っている。
どうやらこちらの動きに気づいたようで、奥の方へと足早に向かう様子が視界に映った。
一網打尽だな……、とちらりとジョンシンへと視線を投げかける。
この状況下において何よりもまず、ヨンファをスンヒたちから一刻も早く引き離す必要があった。
クソ生意気な弟分だが、腕が立つのは評価しているし、ヨンファを安全な場所へという意見は一致している。


いっぱしに高級ブランドスーツを着た若造集団に軽くガンを飛ばしただけで顔を引き攣らせるのを見て、大したことはないと判断した。
図々しくヨンファにしなだれかかり、上機嫌で触りまくったのを思い出しただけで胸糞が悪くなり、まるで汚いものでも眺めるようにスンヒを一瞥する。
機会を窺う猶予は残されていないため、相手に考える時間を与える前に事を済まさなければならないのだ。
もはや実力行使に出るほかなく、ジョンヒョンは顔色ひとつ変えずに一瞬の隙を狙って前に踏み込むと、ラウンドソファの端に座っていたヨンファの腕を掴んでぐいっと引き寄せた。


「………ッ」


かなり強引だったので、立ち上がった際に勢い余ってよろめく彼を広げた両腕の中に囲い込むようにして支え、可能な限りボックス席から離れる。
スンヒたちから真っ先に引き離すのが目的だったが、傍らに控えていたジョンシンの前で、ヨンファは自分のものだと改めて牽制するためでもあった。


『品行方正に真っ直ぐ家に帰ってるけど、会いに行かなくてもいいのかよ?』


先ほど、事務所のエレベーター内でどこか面白がるように言われたのを思い出し、苛立ちが募る。
ヨンファとぎくしゃくしていたことを、意外と勘の鋭い男はとっくに見抜いていたのかもしれない。
他人の恋人だろうがなんだろうがお構いなしで、あわよくば少しでも想い人の気を引きたくてたまらないという魂胆が見え見えなのだ。


愕然とした様子だったヨンファはようやく事態が呑み込めたらしく、安堵するように力を抜いたのが伝わってきた。
無防備にジョンヒョンの胸に凭れてきて、一週間前の件が尾を引いていないことが分かり、自然と頬が緩みかける。
どこか甘さが滲んだ仄かな香りに鼻腔をくすぐられ、つくづく愛おしい……、と個人的な感情に支配されそうになりながら、腕の中にしっくりと馴染んだ細い腰をきつく抱き寄せた。


布越しではあるものの、久しぶりに触れた肌の温もりがどうしようもなくジョンヒョンの心を掻き乱し、このまま溺れてしまいたくなる。
腕の中に抱き込んだまま、知り尽くしている柔らかい唇に思わず口づけたくなったが、なけなしの理性で何とか捩じ伏せた。
しかし、今度は密着している箇所が熱を帯びそうになり、邪な想いをいくら振り払ってもキリがない。
自制心を試されているのかと思うほどこれでもかと襲い掛かってきて、いとも簡単に打ち砕かれそうだ。
視界に入ってくる白い首筋が眩しくて、吸いつきたい衝動に駆られるのを、意識的に視線を外すことによって辛うじて抑え込んだ。


「あとで説明する」


ヨンファにだけ聞かせるべく耳許に唇を寄せて、ジョンヒョンは小声で低く告げる。
決して責めるつもりはないのだと、咎めるような響きを一切滲ませずに。
心地よい感触から離れがたいが、いつまでもこうしているわけにはいかなかった。
まだ、やるべきことが残っているのだ。
暗躍する半グレ集団に散々煮え湯を飲まされただけに、ヨンファのことも含めて、落とし前はきっちりつけさせてもらう。
これまで被った損害額は当然一括で支払わせ、それ相応の圧力をかけながらきな臭いすべての情報を引き摺り出した上に、裏社会の秩序を乱したことに対して制裁を加える。
つまり、組織を壊滅させるのはもちろんのこと、形を変えて再結成させないために、徹底的に叩きのめして恐怖心を植えつけることが真の目的なのだ。


私情を断ち切るようにヨンファから名残惜しげにゆっくりと身を引いた途端、いつになく射るような鋭い視線を横から感じたが、綺麗に無視し、無言の圧力で撥ね返してやった。
顔を上げたヨンファと一瞬だけ視線が絡み合い、澄み切った大きな双眸を包み込むようにしっかりと受け止める。
そして、縮み上がっている三人の男たちに向き直り、無駄なく鍛えられた全身から怒気を迸らせた。


「下手な真似はするなよ。少しでも騒いだら、命はないと思え」


間髪を容れず大股で詰め寄り、軽く身を屈めて無造作に言い放つと、迫力に圧されたスンヒたちは顔面蒼白で頷く。


「でも、なんでアンタがここに……」
「ほう、俺のことを知っているのか。それなら、話は早い」


自分の身を明かすまでもなく、初めから正体を見破られていたようだ。
一応、幹部の顔はチェックしているのか、笑えるくらい語尾が上擦っていて、相当萎縮しているのが分かった。
この程度の小物相手だと、ものの数分で片づくだろう。
場所柄と一般客がいることを考慮して、ジョンヒョンは声を潜めて心理的に追い詰める。


「ちょっとばかり聞きたいことがあるんだが、強制するつもりはない」
「……………」


含みのある物言いで一旦言葉を切り、傍らの長身にさっと視線を走らせた。


「ただし、この無駄にデカい兄ちゃんの脚力は半端なくてな。鳩尾にもろに食らうと、一撃で内臓破裂になる。それでもよかったら、だがな」
「しゃ、しゃべりますっ。洗いざらい何でも……っ」


ずばり斬り込んで低く威嚇したジョンヒョンを前にして、三人は平身低頭している。
唇の端を上げてみせたところで、聞き流してくれなかった男が横合いから鋭い眼光で睨んできた。


「はああ!?無駄ってなんだよ、無駄って」
「――何か、間違ったことでも言ったか?」


すかさず突っ込んできたジョンシンに対し抑揚のない声で切り返すと、途端にチッと舌打ちしながら盛大に顔を顰めて、眉間に刻まれていた縦皺がさらに深くなる。
やれやれと思いながら、ジョンヒョンはおもむろに視界の隅に捕えていたひとつ年上の恋人に目を向けた。
目の前の状況を受け止めつつも、こちらの身を案じるように微かに揺れる黒目がちの瞳と目が合う。


「すみませんが、ヨンファさんは顧問と若頭の席に――」


綺麗な貌を間近から見つめたままジョンヒョンがそう言いかけた瞬間、気配を感じて振り返ると、いつの間にか若頭のグンソクがすぐ後ろに立っていた。
何とも言えない微妙な顔つきで、上から下まで視線を動かしてヨンファを眺めている。


「若……」


いつから見られていたのか分からないが、困惑している様子から察すれば、敢えて説明する必要はないだろう。


「ジョンシナと一緒に片をつけてくるので、ヨンファさんのことを頼みます」
「分かった。あとで報告してくれ」
「はい」


ジョンヒョンは軽く頭を下げてから、ヨンファをグンソクに託した。
身体の向きを変え、ソファの上で固まっているスンヒたちに別室へ行くように促すと、ゆるゆると腰を上げて素直に応じる。


「ああ、そうだ。ひとつ言い忘れていた」


今、思い出したとばかりにぼそりとひとりごちるジョンヒョンに、スンヒが怪訝そうな表情を浮かべて立ち止まった。
ずいと一歩近づくと、周囲に聞かれないように意図的に声を落とす。


「貴様の隣にいた金髪のホストだがな、――俺のイロだ」


ギョッとした顔の外道を見据え、「いろいろと世話になったようだから、たっぷり礼をしないとな……」と淡々と続け、冷たい一瞥をくれただけでそれ以上は語らなかった。
不満げに顰めっ面をしたままのジョンシンに目配せすると、渋々といった感じで先に立って歩いていく。
ジョンヒョンは不自然にならないようにさりげない振りでスンヒたちを誘導しながら、フロアを突っ切って奥まった場所にある部屋へと向かった。





To be continued





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haru
Author: haru
CNBLUEのBL小説を書いています。CPはシンヨン&釜山ズ&ミニョヨンです。ヨンファ溺愛主義でとんでも妄想ばかりですが、愛だけはぶっこんでいます。
話のトーンはほのぼの、甘々、コミカル、シリアス、切ない系。ハピエンオンリーです。
基本マイペースでランダム更新。妄想は思いつくまま、気の向くまま。R18の内容が含まれているため、未成年の方、苦手な方は閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
尚、当ブログに掲載している作品はすべて私個人のオリジナルですので、模倣、転載等はご遠慮願います。

Comment(10)

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yaoi

ばんざい

ぷぷぷぷぷ
うきゃきゃぁあ。

イロ ☜ たまんないわぁ。


さすがのはるさん。ばんざーーい。

2018/02/18 (Sun) 23:04
haru

haru

yaoiさん

こんにちは♡

イロです(笑) こういうの、ほんっとに大好きで。
喜んでもらって良かったです(ノω`*)ノ"
このまま釜山ズで暴れてみます♪

2018/02/19 (Mon) 12:37

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2018/02/19 (Mon) 18:03
haru

haru

s*****さん

こんばんは♡

s*****さんも「イロ」に反応して下さったんですね。嬉しいです~♪
釜山ズ愛のボルテージが上がりまくりなので、キリのいいところまで極道に専念して、いろんなジョンヒョンをお見せできればと思っています。
頑張ります(´・ω・`)b

2018/02/19 (Mon) 20:55

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2018/02/20 (Tue) 21:19

hoshi

こんばんは。

イロ。

悶々悶々←落ち着こう私。
ドキドキしながら毎回楽しみにしてます。

ジョンシンの、たち位置もなんだか萌えすぎて。…こっそり大好きです←
勿論、そぎも。

続き、どうなるのかきゅんーーーっとお待ちしてます。うふふ。

2018/02/21 (Wed) 03:08

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2018/02/21 (Wed) 06:25
haru

haru

i*****さん

こんにちは♡

i*****さんも「イロ」に反応してくれて嬉しいな~♪
この画像のヨン、超美人でもう大好きです(≧ω≦)
言われてみれば、確かに瞳が潤んでる感じがしますね♡ 間違いなく天性の男殺しです。
他にも芸能人で綺麗な男の人っているけど、私の中ではヨンが一番。
地球に生息する生きもので一番美しいんじゃないかと思うくらい(〃ω〃)

他の台詞にもツボってもらって嬉しいし、あと、バニがヨンを抱き寄せるシーンやムラムラとの闘いですね。
こういうのすんごい好きなんで、萌え禿げてもらえて良かった♡
バニ視点だったけど、ジョンシンの様子も書いておきました。絶対に鼻の下が伸びてると思って(笑)
あと、i*****さんの鋭いこと!
言っちゃっていいのかな。あ、読まれてるわって笑っちゃいました。
きっと思考回路が似てるんでしょうね。私たち( ̄∇ ̄)

2018/02/21 (Wed) 12:55
haru

haru

hoshiさん

こんばんは♡

hoshiさんまでも「イロ」に釣られてくれたのね(笑) 書いて良かったです♪
ジョンシンはどうしても脇になっちゃうんだけど、愛があるからできるだけ登場させたいなと思ってます。
雰囲気だけでも伝われば嬉しいし、そぎも自分なりのイメージで書ければなと。
何とか絞り出してやってみます(。・ω・。)ゞ

2018/02/21 (Wed) 22:08
haru

haru

は*さん

こんばんは♡

なんだろう。今回は私のヨンへの気持ちが溢れ出てしまったみたいです。
妄想話に私情を挟みすぎるのはよくないかなと思いつつ、バニ視点での再会シーンだったので、これでもかとしつこいくらいに形容しまくりました(・ω・;) 内心かなり小っ恥ずかしかったです。
結果的に、ヨンにハマりすぎのバニになっちゃいましたね(笑)
は*さんも「イロ」へのリアクション、ありがとう♪
読み返してもらえるのはすごく嬉しい反面、今とは大分雰囲気が違うと思うので、申し訳ないです。
特に、今まで書いた中で最もやらかしてしまった2話は、葬り去りたいくらい( ̄ω ̄;)

2018/02/21 (Wed) 22:38