CNBLUEのBL小説ブログです。ヨンファ溺愛主義で、シンヨン&釜山ズ&ミニョヨンの話を書いています。

その男、不遜につき 7

2017年10月23日
奇跡のチカラ シリーズ(リーマンパロ) 12






「……う……ん……」


カーテンの向こう側が徐々に明るくなり始めると、自然と意識が覚醒していくのが分かる。
身体を包み込んでいる心地よい感触が誰かの温もりのように思えて、慌てて飛び起きてみれば、それはただの毛布だった。


「――何だ……ビックリした……」


ヨンファは間抜けな勘違いをした自分に呆れながら寝乱れた髪を掻き上げ、うんと軽く伸びをする。
もう月曜日か……と多少げんなりして、そばに置いていたスマートフォンに目をやると、時刻はすでに午前六時を過ぎていた。


この週末にたっぷりと睡眠を取ったからか、体調が嘘のように回復していることに気づく。
それもあの男のお陰だと、大柄で無骨なのに細かく気を配ってくれた姿を思い浮かべて、胸の奥が熱くなるのを実感した。
久しぶりに晴れやかな気分でヨンファはベッドから抜け出し、出社前にさっぱりしようとバスルームへ向かった。










一昨日の土曜日、ジョンシンの作ってくれた朝食兼昼食をヨンファは時間をかけて口に運び、空腹が満たされたことでうとうととし始めた。
占領して悪いと思いつつ大きなベッドに身を横たえて毛布の中へ潜り込むと、取り替えたばかりの真っ白なシーツの感触がことのほか気持ちよくて、いつの間にか睡魔に誘われるように再び眠りについたのだ。


それから、どのくらい時間が経過したのだろうか。
微睡みながら寝返りを打ったヨンファは、近くに人の気配を感じた。
ふと眠りから覚めてうっすらと目を開けると、見慣れた白い天井が視界に映り込む。
穏やかな静けさの中、霞みがかった思考のままゆっくりと視線を巡らせて、すぐそばにジョンシンがいるのに気づいた。


「……………」


パソコンデスクの前の座り心地のよさそうな椅子に、長い脚を投げ出すようにゆったりと腰かけて、開いた分厚い本に視線を落としている。
いつもふざけたことばかり言って揶揄ってくる男とは、まるで別人のようだった。
仕事絡みなのか、大きな窓から降り注ぐ柔らかな陽光に包まれた真摯な横顔はわずかに眉間に皺を寄せていて、静かに長い指先でページを捲っている様子が窺える。
初めて目にする思いがけない姿に、ヨンファは枕に頬をうずめたまま何度か瞬いた。


こうして改めて見ると、鼻筋が高くてすっきりと整った顔立ちは、非の打ちどころがないほど男前だ。
意志の強そうな太い眉や、顎から耳許にかけて引き締まったフェイスラインが、より男らしさを醸し出していた。
ヨンファが知っている傲岸不遜な普段とは違った印象のジョンシンはドキリとするほど大人びていて、実際、偶然一緒になった合コンでも、同席していた男女から憧憬と羨望の眼差しを一身に集めるくらい絶対的な存在感を放っていたのを思い出す。


何もここでなくてもリビングのソファで読めばいいのに、こんなにも面倒見がいいとは思ってもみなかった。
子供の頃、熱を出すたびにこんなふうに母親が付き添ってくれたなと、懐かしい記憶を探って、妙にくすぐったい気分になる。
本調子ではない時は何かにつけ心細くなりがちだが、そばにいてくれるつもりなのだと不思議なくらいの安堵感を覚え、ヨンファの身体から余分な力が抜けていくのが分かった。
気づかれないように、ぼんやりとジョンシンを眺めているうちにだんだんと瞼が重くなり、意識が遠のいてくる。
温かみのある気配を間近で感じながら身体を丸めて、ヨンファはいつしか深い眠りに落ちていた。


その後もジョンシンは、ヨンファが戸惑うほど甲斐甲斐しく世話を焼いた。
目が覚めるなりベッドを覗き込んで、喉は渇いていないか、何か欲しいものはないかと気遣われ、結局夕飯までご馳走になって自分の部屋へ戻ってきたのだ。
今まで知らなかった意外な一面を見せられて驚く反面、ヨンファは何とも言えない気恥ずかしさを覚えた。
せっかくの休日なのに自宅に籠る羽目になり、悪いことをしてしまったと、ジョンシンに対して申し訳ない気持ちになる。
帰宅する際に持たされた何種類もの医薬品が入った袋を見て、どんな気持ちで買いに走ってくれたのか、改めて思い知らされた。


幸いなことに十分に身体を休めたお陰で、頭痛や吐き気は完全に治まり、顔色もよくなっていた。
翌日は日曜日にもかかわらず特に予定がなかったため、外には一歩も出ずに室内でゴロゴロ過ごしていると、訪ねてきたジョンシンにアクション映画の新作ブルーレイを一緒に観ようと誘われ、ヨンファに断る理由はなかった。
他人の家のキッチンなのに何がどこにあるのかすっかり把握されていて、基本的に家事が嫌いではないのか、率先してコーヒーやお茶を淹れてくれる。
当然ながら、食事の面倒までも、だ。


もしかすると、ジョンシンは付き合う相手を徹底的に甘やかすタイプなのだろうか。
手早くパジャマを脱いで頭から熱いシャワーを浴びながら、ヨンファはこの三日間のことを思い返す。
十分すぎるほどの厚意に助けられて、ジョンシンには散々迷惑をかけてしまった。
歴代の彼女を辿っても誰ひとりとして、こんなにこまめに動いてくれたことはなかったはずだ。


余程ヨンファが具合悪そうに見えたのか、それとも、ぎくしゃくしていた自分たちの関係に多少は思うところがあったのか。
長い時間を一緒に過ごすうちに、どことなくふたりを取り巻いていた微妙な空気が和らいだような気がした。
熱が出たわけでも風邪を引いたわけでもなく、体調不良の原因はいまだによく分からない。
ただ不思議なことに、いつになく心が軽やかで、たった数日間でヨンファは自分の中で微かな変化が生じているのを感じ始めていた。





To be continued





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

ランキングに参加しています♡このバナーを押していただけると、励みになります♡♡
スポンサーサイト



haru
Author: haru
CNBLUEのBL小説を書いています。CPはシンヨン&釜山ズ&ミニョヨンです。ヨンファ溺愛主義でとんでも妄想ばかりですが、愛だけはぶっこんでいます。
話のトーンはほのぼの、甘々、コミカル、シリアス、切ない系。ハピエンオンリーです。
基本マイペースでランダム更新。妄想は思いつくまま、気の向くまま。R18の内容が含まれているため、未成年の方、苦手な方は閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
尚、当ブログに掲載している作品はすべて私個人のオリジナルですので、模倣、転載等はご遠慮願います。

Comment(12)

There are no comments yet.

まーにゃん

No title

きゃあ!不遜の続き、嬉しいです。つい最近読み返したばかりです。
ヨンファの揺れるココロ、どこにどう向かうのでしょう。
余計なものを取り払って考えれば自分のココロはきっと見えてくるのでしょうけれど…自分の気持ちに気付けるかな?素直になって一歩を踏み出せるかな?
楽しみに続きをお待ちしております。

2017/10/23 (Mon) 12:30

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/10/23 (Mon) 15:08

haru

まーにゃんさん

こんばんは♡
最近、読み返して下さったんですね。どうもありがとうございます♪
長い間手付かずでしたが、他の話と同様に進めていこうと思っています。
ぐるぐるヨンがどうなっていくか、気持ちの微妙な変化を表現するのは難しいですが、トライしてみますね(*´ω`*)

2017/10/23 (Mon) 21:40

haru

t*******さん

こんばんは♡
ドキドキして下さって、とても嬉しいです♪
長期間放置しすぎて、今回地獄を見ました(・ω・;)
あれもこれも本当にすみませんっ。
ふざけんなってくらい中途半端のオンパレードで申し訳ないのに、続きを気にしてもらって有難いです♡
遅筆ですが、いろんなヨンを形にしてお届けできるように頑張ります(*´ω`*)

2017/10/23 (Mon) 21:53

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/10/24 (Tue) 09:54

haru

h*********さん

こんばんは♡
長らくお待たせしました(。・ω・。)ノ
ヨンのマルが可笑しすぎるのと、ドラマ撮影のためジョンシン不足で妄想が停滞していたんですが、ジョンシンが過去出演したCeCiとELLEの動画を観まくってようやくボルテージが上がってきました。
ツボって下さって、本当に嬉しいです♪
何とか萌えをお届けできるように頑張ります(〃ω〃)

2017/10/24 (Tue) 21:22

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/10/24 (Tue) 23:00

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/10/25 (Wed) 06:44

haru

M*****さん

こんばんは♡
M*****さんの一言でスイッチが入ったので、喜んでもらえて良かったです(〃ω〃)
声にまで出して下さったんですか(´;ω;`)
嬉しいお言葉を本当にありがとうございます♪励みになります。
TwitterのDM、ご遠慮なくいくらでも使ってやって下さい(笑)
まだ少しだけしかアップしていませんが、ようやくエンジンがかかってきたので、もう少しお時間をいただければ続きをアップできると思います。
私が勝手に思い描いているジョンシンを、この話にぶつけまくってみますね。

EXOはうちの娘らの影響で、私の韓流への入口でした。
チャンベクとルーミン(ルハンがシウミンをお姫様抱っこしたのがきっかけ)にドハマりして、二ヶ月弱ほどBL小説を読み漁っていましたが、ルハン、クリス、タオが相次いで脱退したのと、CNの存在を知ってからは完全にこっちに来てしまいました。
でも、やっぱり好きです。チャニョルが♡♡溜息が出るほど超イケメンですよね。
ということで、ディオともども登場させる気満々なので、極道、マニトと同様に進めていきます♪

今回の秋ツアーも良席ですね!M*****さん、いつもすごいですw(°0°)w
バニ側だったんですね。私も刻一刻と迫ってきて、楽しみでたまりません。
お互い、思いっきり楽しみましょうね(*´ω`*)

2017/10/25 (Wed) 21:34

haru

は*さん

こんばんは♡
ほとんど台詞のない静かな場面ですが、こういう何げない日常のシチュエーションに萌え禿げてしまうので、は*さんにそんな風に言ってもらえて良かったです(≧ω≦)
ヨンとジョンシンの両方の立場から想像して下さっているんですね(´;ω;`)
そばにこういうジョンシンがいたら、私もガン見しちゃって一睡もできないだろうなぁ。
何とか無い知恵を絞って、いろんな二人をお伝えできればと思っています♪

2017/10/25 (Wed) 21:47

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/10/27 (Fri) 20:29

haru

i*****さん

こんばんは♡
どんだけ振りなのか、大汗をかくほどお待たせしてしまいました(・ω・;)
二人の間の見えない壁を徐々に薄くしていきたいと思っていますが、自分ではよく分からないところがあるので、そういう風に書けているといいな。
Vライブの内容、そんなのあったんだ……という有様でして(汗)、教えてもらってすみませんっ。
おおまかなストーリーは考えていながらも、実際書くとなると長くなるんだろうなという予感がしています。
いろいろぶっこんでみるので、少しでもi*****さんに萌えてもらえると嬉しいです(〃ω〃)

2017/10/28 (Sat) 03:26