CNBLUEのBL小説ブログです。ヨンファ溺愛主義で、シンヨン&釜山ズ&ミニョヨンの話を書いています。

Eternal Sky 4 Last

2016年03月09日
DESTINY 4






日本から帰国して数日後、ヨンファは仕事がオフのため、久しぶりに釜山の実家に帰って来ていた。


「母さん、ただいま」
「おかえりなさい、ヨンファ」


いつものように笑顔で迎えられ、ヨンファは数ヶ月ぶりに会う母親を抱擁して、再会を喜び合った。
マルチーズの愛犬チンイはヨンファを見ると、尻尾を振りながら猛ダッシュで駆け寄ってきて出迎えてくれる。


「ただいま、チンイ」


両腕に抱き抱えると、嬉しそうにヨンファの頬をペロリと舐める。


「もうチンイったら、本当に嬉しそうね」
「母さんは変わりない?」
「ええ、このとおり元気よ。貴方は少し痩せたかしら。相変わらず忙しそうだけど大丈夫?」
「楽しくやってるよ」
「それならいいけれど。向こうで寛ぎましょう」





リビングのローテーブルで、母親お手製のケーキを食べてコーヒーを飲む。
綺麗に整頓されて掃除が行き届いている家は、いつ帰ってきても気持ちがいい。


「母さんの作るものは、何でもおいしいね」
「そう?ありがとう。ヨンファは普段の食生活はどうしてるの?自炊はしてる?」
「朝は作る時もあるけど、あとは外食とか友達の家で食べたりとか」
「友達って女性?」
「違うよ。男だよ。メンバーだから」


それを聞いて、母は安心したようだった。昔からヨンファに彼女ができると、すぐに詮索するところがある。
自分のことを大切に思って心配してくれるのは有難いが、少々窮屈に感じることは否めない。


「今日のお夕食は、お父さんのお知り合いの方のお店を予約しているから、そこでいただきましょう」
「父さんと兄さんは何時頃に帰ってくるの?」
「二人ともいつもより早く帰宅するって言ってたわ」










家族四人揃っての外食はとても美味しくて、楽しいひと時を過ごすことができた。
主にヨンファの話が中心だったが、他の三人の近況についても訊いたりなど、終始和やかな雰囲気だった。


シャワーを浴びたあと、ヨンファは家族に挨拶をしてから自室に入った。


ヨンファの部屋の窓からは、釜山広域市の夜景が一望できる。
久しぶりに目にすると、ずっと見続けていたいほど綺麗で、ヨンファは部屋を暗いままにしておいた。


貿易会社の社長を務めるヨンファの父親のお陰で、子供の頃から何不自由なく暮らすことができ、今も高層マンションの上階に居を構えている。
両親と兄の愛情を一身に受けて、ヨンファは大事に育てられてきた。
本来なら父と同じような道を歩まなくてはならなかったのに、自分の我が儘で芸能界という特殊な世界に入ってしまった。
それを家族は反対するどころか、今もずっと応援し続けてくれている。


今のところ、あまりにも自分の人生が順調すぎて、怖くなる時がある。
もちろん成功の裏には人には言えない苦労や努力があってこそなのだが、それを差し引いても、自分はとても恵まれていると思う。


街中の煌びやかなネオンに彩られた外の景色を眺めていると、ジョンシンの顔が思い浮かんだ。
羽田から金浦空港までの飛行機で、ヨンファはジョンシンとは別々の席に座った。
どうしても歯車が噛み合わない。
どちらかが歩み寄ればもう片方が逃げる。その繰り返しになっている。
そんなに複雑なことではないはずなのに、泥沼にはまってしまっている。


これから自分たちはどうなるのだろうか。
迷宮に迷い込んだかのように、出口が一向に見えてこない。
ヨンファは唇を噛み締めて、目の前の高層ビル群を虚ろな目で眺めていた。










翌日、ヨンファは10時すぎに目が覚めた。
昨夜はベッドに入ってからもなかなか眠れず、朝方になっていつの間にか寝落ちしたらしい。
部屋から出ると、広々としたリビングには母親とチンイがいるだけだった。
父親と兄はすでに出勤したあとで、それを見越して、昨夜のうちに挨拶をしておいて良かった。


「もっとゆっくり寝てても良かったのよ」


いつも優しい母親の言葉に「さすがにそれは」と、ヨンファは苦笑いして答えた。
ダイニングテーブルに朝食が並べられる。
ソルロンタン、御飯、ミッパンチャン。ヨンファが小さい頃から食べ慣れた母の味だ。
高級料理店の名だたるシェフが作ったものよりも、母親の作る料理が一番口に合っていて美味しい。
それを言うと、目の前で嬉しそうな顔をした。


「毎日仕事が大変だと思うけど、あまり無理はしないようにね」
「大丈夫だよ。母さん」
「今日は何時頃にここを発つの?」
「友達と夕飯を食べてからだから、20時すぎの飛行機に乗るよ」
「今日は一日雨だから、帰る時はくれぐれも注意するのよ」
「分かってるよ」


熱々のソルロンタンをスプーンですくって飲んでいると、母親が驚くようなことを訊いてきた。


「ところでヨンファ、ちゃんと恋愛はしているの?」
「な、なに?突然。……仕事が忙しくて、それどころじゃないよ」


ヨンファは笑顔を取り繕いながら、内心ものすごく焦る。


「本当に?若いんだから、人生楽しまないと」
「そうだけど…。父さんと母さんはいいよね。劇的な出会いの末のスピード結婚なんて」
「その分、結婚当初はお父さんとよく喧嘩したわ。結婚は何度もするものではないから、その分、恋愛はどんどんしたらいいのよ。
毎日が楽しくて、人生が活気に満ち溢れるもの。それを面倒だと思うのなら仕方ないけれど、ヨンファにとってプラスになるはずよ」


確かに自分にも思い当たる節はあった。
ジョンシンと付き合うようになって、毎日が充実していて楽しかった。仕事で疲れていても、顔を見れば不思議と癒された。
メンバーとしての付き合いが長いから、お互いのことも知り尽くしているし、困ることもそんなにはなかった。


ジョンシンの作った料理を一緒に食べて、テレビを観ながら寛いで、シンバとじゃれ合って。
会うのはお互いの部屋ばかりで、手を繋いでデートをするような一般人の当たり前の恋愛とは違うけれど、それでも十分満たされていた。


そこまで思い返して、ヨンファは心にぽっかりと穴の開いたような寂しさを感じた。
まだそんなに日が経っていないのに、ジョンシンと過ごした日々が懐かしく思えるのはどうしてだろう。
その幸せな日常を自らの手でみすみす遠ざけようとしていることに、ようやくヨンファは気が付いた。
目先のことにとらわれて、本当に大事なことを見落としていた。





「母さん、俺ね……結婚はしないと思う。こういう立場だから、ファン離れに繋がるかもしれないし…」
「そう…」
「驚かないの?」
「この程度のことで驚いていたらやってられないでしょう。ヨンファの突拍子もない行動にはもう慣れてるわ。手紙を書けば高校を卒業するまで内容が全く同じだったし、読書感想文も中1から高3の時まで全く一緒だったわね」
「……母さん、それはもう言わないでよ」


思い出すだけで恥ずかしくなる。
しかも、母親はこのことをテレビでも暴露したのだ。


「ヨンファ、よく聞いて。デビューした時から、私たちは貴方が一般人とは違う人生を歩み始めたことをちゃんと理解しているつもりなの。貴方が幸せならそれでいい。お父さんも同じ考えを持っていらっしゃるわ。だから、そんなことは気にしないで、しっかりおやりなさい」


母親の懐の大きさに感謝するとともに、ヨンファは今回帰ってきて本当に良かったと思った。
視界が少しだけ開けたような気がした。










高校時代の友人複数と夕食を共にして別れた後、ヨンファはソウル行きの飛行機に乗った。
約1時間という短時間で行き来できるので、距離はあってもとても身近に感じられる。
空港に着くと、今度は自分の車に乗り換えて、ヨンファは自宅マンションを目指した。


フロントガラスに雨が激しく降りかかり、ワイパーの速度を上げる。
車を運転しながらも、ジョンシンのことばかり考えてしまう。
考えても辛いから頭の中から追い出したいのに、それを嘲笑うかのようにまた思い浮かべる。その繰り返しだった。


このままの状態にしておくことが得策だとは思っていない。
何とかしなければならないことは分かっている。その勇気が出ないのだ。
二つの相反する心情がぶつかり合い、気持ちは散り散りになっていく。
俺はいつからこんなにも臆病になり下がってしまったのだろう。










見慣れた街並みが見えてきて、ヨンファは肩の力が少し抜けた。
時間も遅いし、少し疲れが出たのかもしれない。早く帰って身体を休めたかった。


マンションの駐車場に入ろうとした時、そばに見慣れた車が停まっていることに気付く。


あれは……。
ヨンファは目を疑った。でも、絶対にそうだと確信した。


急いで駐車場に車を停めて降りると、ヨンファは雨に濡れるのも構わず、その車に近付いた。
ヨンファの姿に気付いて、中に乗っていたジョンシンが車から降りてくる。


「……ここでなにやってんだよ」
「帰ってくるのを待ってた」
「……いつから?」
「仕事が終わってから。……それより濡れてるぞ」
「そんなことはどうでもいい。なんで連絡せずにいきなり来るんだよ」


ジョンシンと視線を合わせられなくて、思わず顔を背ける。
つい今しがた頭の中を占領していた本人が前触れもなく現れて、ヨンファは混乱した。


嬉しくない筈はないのに、どうしても棘のある言い方をしてしまう。
素直に感情を表に出すことができなくなっている。
仕事の時ならまだしも、突然こんなところで会ってどういう風に話せばいいのか――。


「会いたかったから」


逸らしていた目を向けると、ジョンシンと視線が絡み合った。
雨は止む気配がなく降り続いていて、髪の毛から服までも濡らしていく。
目の前に自分のマンションがあるのに、中に入ろうと声をかける気にもなれない。


「……………」
「会って話をしないと、一歩も前に進めないだろ」
「……今更、話をしたって……」
「それ、どういう意味だよ?」


今まで避けて通ってきたことに、ついに向き合う時が来た。


「……俺たち、もう別れたようなもんじゃないか」
「どうしてそうなるんだ?俺は承知した覚えはないぞ」
「よくそんなことが言えるな。俺が何度歩み寄っても、お前はずっと拒み続けたじゃないか」


激しさを増した雨が、二人の全身を叩きつけていく。


自分が口にした言葉にさえ、ヨンファは心を切り刻まれるような心境になる。
それだけ、ジョンシンに突っ撥ねられたことが相当堪えていたのだ。


「アンタが本音を曝け出すのを待ってたんだ」
「は?」
「でも、アンタは俺が断ると、それ以上何も言おうとしなかった」
「あ、当たり前だろっ。拒否されて、それ以上どうしろってんだよ」
「もっと食い下がれよ。アンタは傷付くことを恐れて、すぐに自分を押し隠して諦めようとする。真正面から俺にぶつかってこいよっ。それしか俺にはアンタの愛情を確かめる術がないんだよ!」


ジョンシンの悲痛な叫びが、ヨンファの固まっていた心を捉えた。


長袖シャツだけでなく、中のTシャツにまで染み込んでいく水滴に、ヨンファは身体を震わせた。
冷たい雨に打たれて、本来の自分を取り戻したかのようにヨンファの心が動き始めた。


「アンタにとって俺はなんなんだ。本当に俺と別れてもいいのか?」
「……………」
「ヨンファ、黙ってないでなんとか言えよっ」


激高しているジョンシンとは反対に、ヨンファの気持ちは落ち着いていた。
ハッピーウイルスを撒き散らしていつも笑っているジョンシンは、ヨンファの前でだけ本心を剥き出しにする。
いつも真っ直ぐで隠し事をせず、ヨンファの前では自分の不利になることさえ曝け出して、全身でぶつかってくる。


そう、その姿を見せるのはきっと俺にだけ……。





「俺がお前を意識するようになったのは、昨年、初めてお前にキスをされてからだ」


諦めたような表情をして俯いていたジョンシンが、弾かれたように顔を上げる。


「それからお前のことが気になりだして、告白された時には俺も同じ気持ちだったよ」
「今…なん…て……?」


信じられないような顔をして、ジョンシンがヨンファを凝視する。


「でも、それを受け入れる勇気が俺にはなかったんだ」
「ど、どういうことだよ。じゃあ、その時点で俺たちは両思いだったってことか?」


いきなりすごい勢いでジョンシンに両腕を掴まれ、至近距離から顔を覗き込まれる。
髪の毛からポタポタと落ちる雫が顔を伝い、まるで泣いているように見える。


「そうだ。でも、俺たちのことでグループや事務所に迷惑をかけたくなかったから応えなかった。共同生活を解消したのも、お前と離れた方がいいと思ったからだ」
「………っ!」


「だからホンギの名前を出して、お前が俺のことを嫌いになるように仕向けた。……自分でも最低のことをしたと思ってる」
「じゃあ、ホンギヒョンのことを好きって言ったのは嘘なのか?」
「友達以上だと思ったことはない」
「それなら、なんでもっと早く言ってくれなかったんだよっ。二人で何か良い方法を考えることもできたのに……何なんだよ!」


項垂れて悔しそうに奥歯を噛み締めているジョンシンを見て、ヨンファは心がジクジクと痛んだ。
時間はかかったものの、結果的にはジョンシンの想いを受け入れたのだから、最初から何もしなかった方が良かったのかもしれない。
でも、悩みやためらいを捨てて好きな相手に飛び込むなど、そんな無責任なことはヨンファにはどうしてもできなかった。


「拒んでおきながら未練がましくお前に抱かれる夢を見る度に、俺はつくづく自分が嫌になったよ。軽蔑されるべきは俺の方だ。それで嫌われても仕方がない……」


そう言うと、目の前のジョンシンが息を呑んだのが分かった。
昨年、自分たちの間で起こった出来事を思い返しているのかもしれない。
あの時も今と同じように自分たちはすれ違って、お互いを傷付け合っていた。
長かった辛い時期を思い出していると、突如、熱いものが込み上げてきて、溢れたそれが雨と一緒に頬を伝い落ちていく。


「ヨン…ファ……」


ジョンシンがくしゃっと顔を歪めたかと思うと、その長い両腕にきつく抱き締められて、ヨンファは息が止まりそうになった。
二人とも全身濡れ鼠で、抱き合っていると身も心も一つになっていくような錯覚に陥る。
ヨンファの背中に回されたジョンシンの腕が小刻みに震えているのを感じ、ヨンファは堪らなくなった。
ずっとこうしたかった。この温もりに飢えていたんだ。


久しぶりに感じるジョンシンの体温に、身体中が震えて涙が止まらない。
ヨンファの濡れた髪に頬をすり寄せ、ジョンシンはその耳元で「愛してる」と、何度も繰り返す。
その魔法の言葉によって、ヨンファの頑なだった心は解きほぐされていった。


「ずっと同じ気持ちだったなんて信じられない。どうして俺がアンタを嫌ったりするんだよ。ずっと不安だったんだ。アンタの気が変わるんじゃないか、いつか誰かに取られるんじゃないかって。……気が気じゃなかった」
「そんなことあるわけないだろ…っ」
「ガッついていたのは、身体を繋げておけば気持ちが離れても、何とか食い止められるんじゃないかと思ったからだ」
「そんなことしなくても、俺の気持ちは変わらないよ。……愛してる、ジョンシナ」


沸き上がる愛しさに胸が苦しくなり、ヨンファはジョンシンの首に縋りつく。
今まですれ違っていた時間を取り戻すように、二人はより一層激しく抱き合った。
お互い身体が冷え切っていても、もう片時も離れたくない。
雨が二人の身体をずぶ濡れにしたことで、わだかまりがすべて一緒に流れていったかのようだった。


そして、ヨンファが顔を上げると、ジョンシンもじっと見つめ返してきて、自然と二人の唇が重なった。





一ヶ月ぶりに交わした口付けは、涙と雨の味がした。










「ヨンファ、早く脱がないと風邪をひく……」
「張り付いてて…なかなか脱げないんだ」
「俺が引っ張ってやるから。……ほら、もうこんなに身体が冷えてる」
「お前も」


びしょ濡れ状態の二人は服を脱ぐのも一苦労で、笑い合いながらお互いの衣服を剥ぎ取っていく。
そして、身体を覆うものがすべてなくなると、そのままベッドへと縺れ込んだ。


いつもよりヒンヤリした素肌と素肌の擦れ合う感触が、堪らなく心地よい。
重なった胸からジョンシンの鼓動が早いのが分かる。
自分のはきっとそれ以上の早さで、相手に伝わっているのだろう。そんなことさえも、ヨンファは嬉しく感じた。


ジョンシンの唇が落ちてきて、ヨンファの冷たくなった唇にゆっくりと重なった。
最初は触れ合うだけのキスが、次第に濃厚なものに変わっていく。
舌を絡ませながら角度を変えて互いに貪っているうちに、身体が熱を帯びてくる。


いつしかヨンファはジョンシンに組み敷かれ、瞳と目が合った瞬間、愛しさと切なさが胸の中に広がっていくのを感じた。
精悍な顔がゆっくりと下りてきて、ヨンファの胸や腰の至るところに口付けを落としていく。


「……ん…っ」


時間をかけてじっくり攻めてくるジョンシンに、ヨンファの方が戸惑う。
いつもと違って奪うような強引さがなく、まるで壊れものを扱うように優しくヨンファの身体の隅々にまで愛撫を施していく。
愉悦に浸っていると、時折、ジョンシンの唇はヨンファの甘い吐息を漏らす口を塞ぎに戻ってきて、その都度、熱を孕んだ瞳で見つめてきた。
その飢えたような視線にゾクゾクとしたものが走り抜けて、ヨンファはただされるがままになっていた。


ジョンシンの手で育てられたものを口で追い上げられ、抵抗したが許してもらえずそのまま達した。
それを当たり前のように飲み干され、ヨンファの中に入れたままだった指を再び淫らに動かし始める。


「……ん、あ…っ……ンッ」


繋がる部分を念入りに好き勝手されながら、身悶えているヨンファを余すところなく見られる。
ジョンシンはいつになく慎重で、指だけでなく終いには舌まで使って中をこじ開けるように舐められて、ヨンファはほとんど半泣き状態になっていた。


「…あぁ……も……やだっ…て……」
「久々だから、もっと慣らさないと痛いかも」
「もう……いい…から……っ」


長い責め苦から解放されてホッと息をつくと、熱く反り返ったものがゆっくりと中に入り込んでくる。


「…あ…っ……」
「………ふぅ」


久しぶりなのにヨンファの内壁はジョンシンの形を覚えていて、待ちかねたようにその屹立に絡みつく。
ジョンシンが深い溜息をつき、突然、動きが止まった。


「ジョン…シナ……?」
「……悪い」


決まりの悪そうな顔をするジョンシンを不思議に思ったが、一向に再開されず、ヨンファは身体の疼きに耐えられなくなり腰を揺する。


「ちょっ……入れただけでヤバいんだって…」


ヨンファの予期せぬ行動に驚いて、ジョンシンが慌ててそれを制止する。
普段のヨンファからは想像できない姿態に、ジョンシンは目眩を起こしそうになった。
しかし、途中で止められた方もかなり辛く、ヨンファはまたモゾモゾと身体をうごめかす。


「ヨンファ、待てって」
「だって…ジョンシナがしてくれないから……」
「………っ」
「あっ……な…んで……」


中のジョンシンがまた大きくなったような気がして見上げると、ジョンシンが苦虫を噛み潰したような顔をしていた。


「……アンタの腰の動きと台詞で、危うくイキそうになっただろ。……煽った責任はとってもらうからな」


ジョンシンは挿入したまま、後ろに身体を倒して、そのまま仰向けに横たわった。


「ヨンファが上になって」
「あんっ……あぁっ……」


自分の身体の重みでいつもより奥深く入り込んだジョンシンに、頭の中が真っ白になる。
急にとらされた体位に戸惑って、全身を震わせながら荒い息をつく。
ジョンシンの胸に手をついて、ヨンファは潤んだ瞳で恨めしそうに睨んでやった。


「そんな瞳で見てもダメ。動いて、もっと俺を欲しがって」 
「ンッ……あっ……」


ジョンシンがヨンファの欲望を擦り上げ、乳首を摘ままれると奥がキュッと締まって、ジョンシンにより一層纏わりつくのが分かる。
これ以上我慢ができなくなり、ヨンファは膝をついて身体を浮かせると、中に挿っているジョンシンをギリギリまで引き抜き、またゆっくりと腰を落とす。


「ああっ…ジョ……シナッ……っ」


悦楽を追い求め、その波に激しく溺れているヨンファの姿に、ジョンシンは煽られっぱなしだった。


ヨンファは眉根を寄せて奥歯を噛み締めているジョンシンの顔を見て、同じように感じてくれているのだと安心した。
でも、自分の拙い動きだけではどうしても極めるまではいかず、途方に暮れる。


「ジョンシナ……」


ジョンシンの顔を見るとヨンファの意図を察してくれたみたいで、下からグッと突き上げてくる。
角度が変わり、ヨンファは滑らかな喉を逸らして喘いだ。


「ん……あ……っ、……あぁっ……」


きつく腰を使って動き始めたジョンシンにガクガクと揺さぶられて、強烈な刺激に何も考えられなくなる。
本気モードになったジョンシンは体勢を入れ替えると、ヨンファをベッドに押し付けて再び最奥まで挿入した。


「あ…っ、あ…あ…っ」


嬌声を上げると深いところで腰を回され、ヨンファはその背に縋りつく。
抽挿のたびに中のジョンシンが硬く大きくなっていくのを感じ、終わりが近いことを告げている。


「ヨンファ……ん、……愛してるよ……愛してる……」
「俺もっ……あっ……愛してる……っ」


何度も互いの唇を重ねて、その熱と吐息を奪い合う。
ヨンファの高ぶりを手で擦り上げて絶頂に導くと、ジョンシンもまた引き絞られた中に白濁を迸らせた。










「今日のヨンファ、すごかった……」


そう言って、満足そうにヨンファに抱き付いてくるジョンシンの顔が、かなり赤らんでいる。
荒い息がようやく整ってくると、ジョンシンはヨンファの髪を撫でながら言った。


「先にシャワー浴びてくる?」


ヨンファの身体に負担をかけまいとして、一度で終わらそうと思っているのだろう。
身体を起こしてベッドから出ようとするジョンシンをヨンファは引き止めた。


「ジョンシナ……まだできる?俺…足りない……」
「ええっ!?」


有り得ないほどの早さで振り返り、ヨンファの顔を覗き込んできたジョンシンは、ものすごく面食らったような顔をしていた。


「ごめっ……身体が熱くて……終わりたくない…」


気恥ずかしくて上目遣いで様子を窺うと、ジョンシンが再び覆い被さってきた。


「……可愛いすぎるだろ」


ヨンファの耳元に唇を寄せ、欲情に掠れた声で囁かれると、そのまま近付いてきた唇に呼吸を奪われた。
そこから先は嵐のような荒々しさで、好き勝手するジョンシンを止めることができず、官能の渦に呑み込まれた。





「あぁ…っ……ん…っ……あっ」


寝室に甘ったるい声が満ちていくのを、ヨンファは止められないでいた。
蹂躙されるままに喘ぎ、すべてを貪り尽くそうとするジョンシンに激しく乱される。
久しぶりの逢瀬に、二人の欲望は留まるところを知らなかった。


「そこっ…気持ち…いいっ……」
「俺もすげー気持ちいい。中、トロトロになっててヒクヒクしてる」


何度目になるか分からない絶頂を、二人で目指して昇りつめていく。
たまには何も考えられないくらい、こんな風に快感に溺れきるのも悪くはない。それも、自分の愛する相手となら。
ヨンファは薄れていく意識の中で、ジョンシンと一緒にいられることを、がかけがえのない幸せだと思った。










真新しいシーツを敷いたベッドで、ヨンファはジョンシンと二人で素肌のまま一枚の毛布に包まっていた。
ヨンファは心地よい気怠さを感じながらも、充足感に包まれていた。


「いつかヨンファで殺されるかも」
「本望だろ?」
「……言ってろよ」


ポツリと漏らされたジョンシンの言葉に、ヨンファが笑って言い返す。
すると、長い腕が伸びてきて、ヨンファは広くて温かい胸に抱き込まれた。


「実家はどうだった?ゆっくりできた?」
「ああ、楽しかったよ。家族で夕食に焼肉を食べに行って、地元の友達に会ってきた」
「そっか……」


それっきり黙ってしまったジョンシンを不思議に思い、視線を向けると、天井を見上げていた。


「……今度さ、俺が実家に帰る時、一緒に来ない?」
「え?……俺?」
「そう。うちの家族にヨンファのことを正式に紹介したいんだ」


ジョンシンの言おうとしている意味が分かった。
思いも寄らないことを口にされて、ヨンファは嬉しくて胸が熱くなるのを感じた。
でも、今はまだその時期ではない。


「……お前の実家に一緒に行くのはまだ無理だ」
「どうして?嫌なのか…?」


断られることを予想していなかったのか、ジョンシンが少しだけ傷付いたような顔をする。
それをヨンファは慌てて否定した。


「勘違いするな。そうじゃなくて、今、行ってもご両親を驚かすだけだろ。だから、もっと時間がほしい。俺の実家にも関係があるから、いずれ両親にきちんとした形でジョンシナとのことを報告しようと思ってる。どのくらいかかるか分からないけど、お前のご両親にも必ずご挨拶に行くから、もう少し待ってもらえないか?」


そう言うと、ジョンシンがいきなりがばっと起き上がった。
ヨンファの言葉が余程意外だったのか、固まったように動かない。
ジョンシンとのことを真剣に考えているヨンファの気持ちが伝わったようだ。


「……本気…か?」
「当たり前だろ。お前との先々までちゃんと考えてるよ」


ジョンシンは泣き笑いのような顔をすると、ヨンファに圧し掛かるようにして強く抱き竦めてきた。
額と額がコツンとぶつかり、啄むようなキスを繰り返した。


「参ったな。アンタの新たな面を知る度に、俺は骨抜きにされるよ。俺がヨンファのどこに惚れたか白状しようか?」
「え?」
「懐が広くて、俺たちよりもいつも上を行ってて、想定外のことまで考えてくれる。何事にも真面目で一生懸命で責任感が強くて、自分のことよりも常に周りの人間のことを気遣ってくれる。才能に満ち溢れていて音楽をやっている時のアンタは最高に輝いていて、俺たちをいつも引き出して導いてくれるし……」


途中からヨンファは聞いていられなくて両耳を塞ぐと、ジョンシンにその両手を外される。


「いいから、最後まで聞けよ。可愛くて意地っ張りで恥ずかしがり屋で、決断力が早くて男前のところもあって、ベッドの中では色っぽくって悩殺されまくりだし、美人のくせに無自覚で鈍感でスレてなくて…って、キリがないな。……ったく、どれだけ惚れさせたら気が済むんだよ」


次から次へと出てくる台詞に、ヨンファは顔を真っ赤にすると、ジョンシンとは反対側を向く。


「ヨンファ、何か言うことは?」
「……お前みたいな天然タラシは見たことがない」
「はぁ~?素直に喜べよ。本当は嬉しいくせして。あ、そうそう。あと、究極のツンデレだもんな」
「……ジョンシナ」


思わずムッとしてヨンファが身体を起こすと、毛布がずり下がり、何も身につけていない裸身が露わになる。
ジョンシンはヨンファを宥めるように、しなやかな背中に腕を回して抱き込むと、剥き出しの肩にキスをしてくる。


「あのな、冗談ばっかり言ってないで…」
「冗談じゃないよ。全部本気。こんなに人を好きになれるなんて思ってもみなかった。ヨンファが全部教えてくれたんだ」


ヨンファは思わず目を見張った。
ジョンシンの包み込むような眼差しに見つめられて、それがすべて真実だと伝わってくる。
そして、その中には少し照れの色も見えた。
ヨンファは口元を綻ばせて、ジョンシンの温かな身体を思いっきり抱き返した。


「お前に会えて本当に良かったよ」
「俺も。ヨンファに出会えたことが一生の宝物だ。じっくり時間をかけて両親を説得してから会いに行こう。俺の家族とヨンファの家族に」
「ああ、一歩一歩進んで行こう。ジョンシナと一緒なら何でもできそうな気がするよ」


二人はまた引き寄せられるように、何度も繰り返し口付けを交わした。










「まさに愛の力はすごいってことだな」
「何だよ、突然」


ヨンファの作業室にホンギが遊びに来ていた。
12月にソロデビューが決まっていて、何かと忙しいらしく、ヨンファと会ってもあまり話ができないでいた。
最初は仕事の話をしていたのが、それが終わり雑談に入った途端、冒頭の台詞を言われた。


「最近、俺に可愛い弟ができてな」
「弟?お前の母親、再婚でもしたのか?」
「そうじゃねぇ。ジョンシナが俺のことをすごい慕ってくれるようになったんだよな」
「は?」


それで弟か!?……ジョンシナが?……嫌な予感しかしない……。


「上手くいってるみたいで良かったじゃねぇか」
「アイツ……また余計なことを喋ったのか」
「まあ、この程度は許してやれよ。ジョンシナも嬉しいんだろうし、事情を知ってんのは俺とお前の弟二人ぐらいだからさ。お前らが喧嘩した時はアイツの味方になってやるから」
「なんだ、それ」


正直、仕事場でこういう話をされるのは苦手だ。
ヨンファとしては仕事とプライベートはきっちり線引きしたいのに、ホンギはまったく気にしないタチらしい。
オープンすぎて大丈夫かと心配になることがあるが、これがホンギの魅力の一つでもあるからどうしようもない。


「そういえば、ジョンシナとヒチョルが仲良くなってんの知ってるか?」
「いや、意外な組み合わせだな」
「だろ。あの二人、ファッション関係の仕事もしてるから、それで仲良くなったみたいだぞ。……きっと俺らの話もされてるかもな」
「マジかよ……」


ジョンシンも仕事の幅や人脈が広がってきて、音楽以外にも多方面で活躍している。
それはヨンファにとっても、まるで自分のことのように誇らしくて嬉しい。
ジョンシン自身もやりがいを感じているようだし、ステップアップに繋がるのだからいいことづくめだ。


「いつか四人の都合があえば、また飯でも食いに行こうぜ」
「ああ、そうしよう。楽しみにしてるよ」


ホンギの提案に、ヨンファは二つ返事でOKした。










それからまたヨンファは、相変わらず多忙な日々を送っていた。
仕事に情熱を注いで、精力的にこなしていく。
毎日がその繰り返しだが、自分にとっては天職だといえるものなので、大変ではあるが楽しみながら取り組んでいる。


今までとは違うことは、自分を支えてくれる大きくて確かな存在ができたこと。
それはこれから先も決して揺るがないとヨンファは断言できる。


お互い忙しい身でCNの仕事以外ではスケジュールがバラバラだが、それでも時間を作っては会うようにしていた。
それがヨンファにとって何よりの至福のひとときであるから―――。










6月21日の深夜近く。
もうじき日付が変わろうとした時、ジョンシンの自宅のリビングで、ヨンファは一人、バラエティー番組を観てのんびりしていた。
目の前で繰り広げられる内容に夢中になっていると、シャワーを浴び終えたジョンシンが戻ってきたのに気付いた。、


「……ヨンファ」
「ん?なんだ、ジョンシナ?」


不意に名前を呼ばれ視線を向けると、隣に座ってきたジョンシンの大きな手の平に、シルバーのリングが乗っていた。


「これヨンファに」
「……俺に?」
「誕生日プレゼントなんだ」


ヨンファが呆然として動けないでいると、ジョンシンがヨンファのほっそりとした左手を取る。
そして、薬指に口付けを落としてから、ゆっくりとリングを嵌めていく。


「ジョン…シナ」


予想だにしなかったことが起こり、ヨンファの思考能力は完全に停止し、ジョンシンの動作をただ見守っていた。
それは、あつらえたようにヨンファの指にぴったりだった。


「俺のこのリングと同じシリーズのデザインなんだけど、身につけてくれたら嬉しい」


ジョンシンの左手薬指のリングと並べてみると、確かに似ている。
思いがけないプレゼントに言葉が出ない。
ヨンファは急に感情が込み上げてきて、目頭が熱くなった。


「おーい、ヨンファ」


いち早くそれに気付いたジョンシンが、わざとヨンファの顔を覗き込んでくる。
それを見られまいと目を伏せた瞬間、ポタリと滴が落ちていった。
温かいジョンシンの唇が、滲んでくる涙を優しく吸い取っていく。


そして、二人の顔が近付いてどちからともなく唇が重なり、キスを繰り返した。
唇が離れると、ヨンファは照れたように口元に笑みを浮かべて、嬉しそうにリングを見つめる。


「……ありがとう。俺にはもったいないくらい素敵だな。これ…高かっただろ?」
「給料の三ヶ月分!……っていうのは嘘だけど…」


見つめ合って互いに笑っていると、ジョンシンがヨンファの左手を取り、指を絡ませてきた。
ヨンファの細い指を強く握り締め、ジョンシンは静かに決意を固めたような顔をした。


「もう二度とこの手を離さない。何があっても絶対に……。俺は一生ヨンファのそばにいるよ」
「一緒にいよう、ジョンシナ。ずっと永遠に」


お互いに顔を見合わせ、もう一度、触れるだけのキスをした。


それは二人にとって、一生の愛を誓う言葉だった。





End





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haru
Author: haru
CNBLUEのBL小説を書いています。CPはシンヨン&釜山ズ&ミニョヨンです。ヨンファ溺愛主義でとんでも妄想ばかりですが、愛だけはぶっこんでいます。
話のトーンはほのぼの、甘々、コミカル、シリアス、切ない系。ハピエンオンリーです。
基本マイペースでランダム更新。妄想は思いつくまま、気の向くまま。R18の内容が含まれているため、未成年の方、苦手な方は閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
尚、当ブログに掲載している作品はすべて私個人のオリジナルですので、模倣、転載等はご遠慮願います。

Comment(4)

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2017/02/12 (Sun) 00:19

haru

i*****さん

こんばんは♡
年齢の割には元気な方で、ほとんど治りかけているので大丈夫です!
ご心配下さり、どうもありがとうございますm(__)m
毎日寒いので、i*****さんもくれぐれもご自愛下さいね♪

一年以上前に書いた話を読んで下さったのですね。どうもありがとうございます♡♡
恥ずかしすぎて、まったく読み返せない代物です…(TωT)
私が思いつくのは王道中の王道なので、i*****さんに萌え禿げていただけて、こんなに嬉しいことはありません。

さて、ご質問の件についてです。
ブログを始めてからずっとTwitterで更新連絡をしていましたが、昨年の夏に中止しました。ごめんなさい!
理由は、内容が後ろめたいものなので、大々的にお知らせするのに抵抗を感じるようになったためです。
また、私自身はまったく呟かず、萌え禿げた画像や動画をRTするばかりで、仲の良い方の呟きに反応したり、DMでやり取りをさせていただくくらいでしか利用しておりません。
それでもよろしければなのですが…(-ω-;)
せっかく尋ねて下さったのに、何の面白味もなくてお恥ずかしいです(>ω<)

2017/02/12 (Sun) 02:38

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2017/02/12 (Sun) 14:12

haru

i*****さん

こんばんは♡
もともとなぜ私がTwitterを始めたかといいますと、登録自体は随分前で、他ジャンルの小説を書かれる方の呟きを読んでみたかったからです。
そしてCNにハマり、小説をアップするのにブログは大変というイメージがあったので、Twishortを使おうということで、同じアカウントを使用しました。
ですので、私自身は呟くのがものすごく苦手でして、専らCNの情報収集の場になっております。
いつもログインしていないものですから、仲の良い方が呟かれても随分時間が経ってから反応したりですしね。
無理をせず、見たくないものは見ず、マイペース。これが私流です。
一番楽しいのは妄想ですし、読んで下さる方も私の呟きよりも話をアップすることを希望されていらっしゃるでしょうから、自分の役割は書くことだと思っております。
i*****さんとはこちらで楽しく交流させていただいているので、本当に有難いです♡♡
いつも心温まるコメントを下さり、とても感謝しております♪
こちらこそ、今後ともどうぞ宜しくお願いします(*´ω`*)

2017/02/12 (Sun) 23:44